オリ「全員で勝つ」実践 逆転サヨナラで日本S先勝

【オリックス―ヤクルト】九回、サヨナラ二塁打を放ち、ガッツポーズしながら一塁に向かうオリックスの吉田正=11月20日、京セラドーム大阪(松永渉平撮影)
【オリックス―ヤクルト】九回、サヨナラ二塁打を放ち、ガッツポーズしながら一塁に向かうオリックスの吉田正=11月20日、京セラドーム大阪(松永渉平撮影)

2点を追う九回、オリックスは無死満塁のチャンスを迎えた。20日、京セラドーム大阪で行われた日本シリーズ第1戦。本拠地のスタンドが沸き上がる中、登場した宗(むね)がヤクルト抑えのマクガフのフォークボールをはじき返して同点中前打とした。とどめは吉田正だ。初球の153キロのストレートを狙いすました中越えの二塁打で、4―3の逆転サヨナラ勝ち。「しびれました。クライマックスシリーズ、日本シリーズに(復帰を)合わせて本当によかった」。右手首骨折から、驚異の回復力で1カ月あまりで復帰した主砲は声を弾ませた。

シーズン18勝のエース山本が先発。白星を計算していたはずの試合だったが、打線の援護がなく、6回1失点で降板。中嶋監督は振り返る。「選手はがちがちだった」。平常心でなかったのは吉田正もそうだった。五回2死一、二塁の第3打席。自分では外野手の頭を越えたと思った打球が中飛。「自分の中にずれがあった」と振り返る。

ただ、最後に底力を見せるのが「全員で勝つ」という合言葉で戦ってきた今季のオリックスだ。九回は先頭の紅林(くればやし)がヒット。代打のジョーンズが四球を選び、福田のバントが犠打野選となり、つないで満塁と追い詰めた。吉田正は「最後まで諦めないという戦いが初戦でできた」とうなずく。

勝利監督のインタビューで中嶋監督は「すごかったですとしか…」。劇的勝利にいつもは冷静な指揮官が絶句した。ただ、言葉をつないだ。「相手が強いということも感じた」。日本一をかけた戦いは始まったばかりだ。 (鮫島敬三)