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『10歳からの考える力が育つ20の物語』 童話に隠れた別のストーリー

『10歳からの 考える力が育つ20の物語』
『10歳からの 考える力が育つ20の物語』

□『10歳からの考える力が育つ20の物語』石原健次作、矢部太郎絵(アスコム・1430円)


この世に、正義ほど取り扱い注意なものはありません。誰もが自分を正義と思っていて、相手を悪だと決めつける。

正義の反対は悪ではなく、「もうひとつの正義」なのではないだろうか。そんな発想から、『10歳からの 考える力が育つ20の物語』という書籍はスタートしました。

この本は、童話探偵ブルース(ブタ♂)と秘書シナモン(リス♀)が、世界の名作童話を「ちょっとちがう視点」で読み解いていく物語です。

今は大人も子供も問わず、多様性への理解が求められています。その題材として、童話ほど適したものはありません。童話では、常にわかりやすい悪が出てきて最後にはやっつけられ、私たちも、そこで示される「正しい」教訓に疑問を持たないからです。

でも例えば、「3匹の子ブタ」のオオカミにだって、オオカミなりの子ブタを襲った理由があったはずです。「裸の王様」の王様が見えない服を見えると言ったのは、本当にバカだと思われたくなかったというだけでしょうか。

視点を変えると、童話に隠された別のストーリーが見えてきます。その視点は、カチコチに凝り固まった頭をほぐし、多様な考え方を理解するためのヒントになります。

この本は子供へのプレゼントにもぴったりですが、大人でもハッとさせられる気づきがたくさんあります。各話10分程度で読めますので、寝る前に子供と一緒に読み、お互いに感想を話しあったりすれば、一日のすてきな締めくくりになるのではないでしょうか。(アスコム 菊地貴広)