オーストリア、全土で封鎖再導入 ワクチン接種も義務化

16日、オーストリア・ウィーンの商業施設の入り口で、買い物客のワクチン接種証明を調べる警察官(ロイター)
16日、オーストリア・ウィーンの商業施設の入り口で、買い物客のワクチン接種証明を調べる警察官(ロイター)

【パリ=三井美奈】欧州で新型コロナウイルス感染が再拡大し、各国が再び規制を強化している。オーストリアは19日、全国で外出制限を再導入し、来年2月からワクチン接種を義務化すると発表。ドイツは接種証明の適用拡大を決めた。クリスマス休暇を前に、各国はワクチン接種の拡大を急いでいる。

オーストリア政府の発表によると、今回の規制により22日以降、必需品以外の商店は閉鎖を命じられる。学校の授業は続ける計画。10日間実施し、状況を見て継続の是非を判断する。

同国では15日、ワクチン接種証明を持っていない人に限定して外出制限を導入したが、感染拡大に歯止めがかからず、全国で都市封鎖の再導入に踏み切った。

欧州では、フランスなどが医療関係者に接種を義務付けているが、成人全員を対象とした義務化は初めて。地元テレビによると、シャレンベルク首相は記者会見で「長い間、接種は強制しないというのが暗黙の了解だったが、うまくいかなかった」と述べ、強制措置への理解を求めた。国内で2度の接種を終えた人の割合は64%で、西欧では最も低い水準にとどまる。

ドイツでも今月、感染者数が急増し、18日の発表では1日当たり約6万5千人に達した。6万人の大台を超えたのは初めてだ。

政府は18日、各州代表と対策会議を開催。感染が悪化する地域では、飲食店やスポーツイベントなどへの立ち入りをワクチン証明保有者、あるいはコロナに感染して治癒した人に限定する方針で合意した。メルケル首相は「多くの措置は、ワクチンを接種していれば避けられた。今からでも、接種するのに遅くはない」と国民に訴えた。

欧州では昨年末、日本に先駆けてワクチン接種を始めたが、接種への拒否運動も根強く、各国で接種率は頭打ちになっている。欧州連合(EU)の欧州疾病予防管理センターによると、ワクチン接種を終えた人の割合はドイツで68%、イタリアで73%、フランスで69%。いずれも日本の76%を下回る。接種率の低い国では、気温低下に伴って流行の再拡大が目立つ。

特に東欧では、チェコが58%、スロバキアが45%、ルーマニアが36%と低く、感染も深刻化する。18日にはチェコやスロバキア、ギリシャ各政府が相次いで、ワクチン非接種者を対象に行動制限や入場規制を導入する計画を発表した。

欧州は昨年末、新型コロナ流行でクリスマス市が各地で中止され、都市封鎖も相次いだ。2年連続で経済的打撃を受けるのを避けるため、各国は接種拡大で重症患者の増加を食い止めながら、移動の自由を維持したい構えだ。