京都ハリストス正教会生神女福音聖堂、国の重文に

京都ハリストス正教会生神女福音聖堂の聖所。奥は聖人が描かれた聖障(京都市提供)
京都ハリストス正教会生神女福音聖堂の聖所。奥は聖人が描かれた聖障(京都市提供)

国の文化審議会は19日、末松信介文科相に京都ハリストス正教会生神女福音聖堂(しょうしんじょふくいんせいどう)(京都市中京区)を重要文化財(建造物)に指定するよう答申した。今年度中に告示される見込み。これに伴って、国宝を含む府内の重文(建造物)は全都道府県で最多の299件699棟となる。

生神女福音聖堂は、ロシア正教の京都教区の布教活動の拠点として明治36(1903)年に完成した教会堂。京都府教育委員会などによると、日本ハリストス正教会の本格的な木造聖堂としては現存最古。

国の重要文化財に指定される京都ハリストス正教会生神女福音聖堂(京都市提供)
国の重要文化財に指定される京都ハリストス正教会生神女福音聖堂(京都市提供)

屋根に飾られた十字架の下に丸屋根(クーポル)があり、正面に鐘楼を構える美しい外観が特徴だ。また、内部はミサなどの行事に使われる聖所(せいじょ)と聖職者以外立ち入りができない至聖所(しせいじょ)が、聖障(せいしょう)(イコノスタス)と呼ばれる仕切りで区切られている。イコノスタスは、聖人の絵が描かれた鉄板計30枚を木枠にはめ込んで作られており、金属製のものは珍しく、ロシアで制作された。

府の技師で府庁旧本館などを手掛けた建築家の松室重光氏が、ロシアの正教会から提供されたひな型を基に設計したことがわかっており、教会堂の設計の歴史を知る上で重要な事例としている。(平岡康彦)