米大リーグで投打の「二刀流」による歴史的な活躍をしたエンゼルスの大谷翔平(27)が満票でア・リーグ最優秀選手(MVP)に選ばれた。「日本人として誇らしい」。トッププレーヤーの称号に野球ファンから歓喜の声があがった。
「見ていてこれだけ楽しませてくれる選手はいない」と語るのは、大阪市を拠点に活動するスポーツ専門のイラストレーター、横山英史さん(41)。学生時代にメジャーリーガーの迫力あるプレーに衝撃を受け、大リーグのファンに。19歳のころから約20年間、毎年のように現地に足へ運び、間近でトップ選手らの活躍を見てはイラストを描いてきたという。
大谷がメジャーへ移籍した2018年4月には、メジャー初三塁打をカンザスシティーのカウフマン・スタジアム三塁側席で直接目の当たりにし、迫力を間近で体感した。
だが、新型コロナウイルスの影響で、この2年間は現地での観戦が叶わず、もどかしい思いを抱えてきたという。それでも、「大谷は全てのプレーが見逃せず、テレビ画面にくぎ付けになった。躍動感は画面越しでも伝わってきて、感動を与えてくれた」。次は何を成し遂げてくれるのか。想像するだけで胸が躍る。
一方、大阪市中央区にある大リーグファンが集うバー「ボールパークバー」のオーナー、岩井正高さん(54)は「常識では考えられないことをやってくれる選手。ファンとして、そして同じ日本人として非常にうれしい」と満票でのMVP決定を喜んだ。
他の飲食店の例にもれずコロナ禍のあおりもうけた。岩井さんは「本当ならお店でみんなと応援したかったが、大谷の活躍を家で見るのが楽しみであり癒しだった。来シーズンも期待したい」と声を弾ませた。