「一律に5円分下がるとは思えない」ガソリン補助金 消えない疑念

ガソリンスタンドの価格表示板。補助金制度の適正な制度設計が急務だ=19日、奈良県内
ガソリンスタンドの価格表示板。補助金制度の適正な制度設計が急務だ=19日、奈良県内

ガソリンなど燃料価格急騰を抑える支援策をめぐっては、運用面の細かな制度設計は道半ば。ガソリンをはじめとする資源価格の高騰に経営を圧迫されている企業経営者からは、効果に対する不安を取り除いた上で、公平性を確保した仕組みづくりを求める声が相次いだ。

「資源価格の高騰は中小企業への影響が非常に大きい。(経済対策が)末端価格に影響するよう、きちんとした組み立てが必要だ」

この日、大阪市内で開かれた大阪商工会議所の定例会見で、副会頭を務める東和浩・りそな銀行会長は、こう強く求めた。

政府はガソリン価格が全国平均で1リットル当たり170円を超えた場合に、石油元売り各社が卸売価格を抑えるよう、1リットルあたり最大5円とする補助金を出す。ただ、最終的に小売価格を決めるのは元売りではなくガソリンスタンド。消費者への効果の波及について疑問視する声もあり、大商副会頭の吉田昌功・近鉄グループホールディングス顧問は「市場価格が確実に5円安くなる制度にしていただきたい」と強調した。

ガソリンスタンドの経営者からも戸惑いの声が漏れる。補助金の発動条件が170円であることから、大阪府内に店舗網を構える会社の担当者は「店頭価格が170円以上だと、利用者から苦情が来るかもしれない」と不安を口にし、本来、市場に委ねられるべき価格に、制度が影響することを懸念する。

また、大阪府内で複数のスタンドを経営する男性は、元売りの担当者から「まだはっきりと決まったことはない」と伝えられている。元売りが卸値を下げてくれれば、小売価格も引き下げる考えだが、「元売りから直接仕入れる会社もあれば、代理店が間に入る場合もある。一律に5円分下がるとは思えない」と疑念を示した。小売価格には輸送コストや人件費などが織り込まれるため、全国各地で大きな差が出てしまうのが実情だ。別のガソリンスタンド運営会社の担当者は「ガソリン減税の方が分かりやすかったのではないか」と話した。

「緊急避難的に経済の落ち込みを対策することは必要だ」と政府の経済対策に理解を示す大阪商工会議所の尾崎裕会頭も「ガソリンをめぐっては(小売価格に含まれる)税金の割合も大きい。税額の調整なども必要ではないか」と指摘している。(黒川信雄、岡本祐大)