プレビュー

「土竜の唄 FINAL」ほか3本

映画「土竜の唄 FINAL」(c)2021「土竜の唄」製作委員会 (c)高橋のぼる・小学館
映画「土竜の唄 FINAL」(c)2021「土竜の唄」製作委員会 (c)高橋のぼる・小学館

公開中の作品から、文化部映画担当の編集委員がピックアップした「プレビュー」をお届けします。上映予定は予告なく変更される場合があります。最新の上映予定は各映画館にお問い合わせください。

■「土竜の唄 FINAL」

暴力団に潜入した元警察官の玲二(生田斗真=いくた・とうま)が大暴れするシリーズの5年ぶり新作。第3弾にして、ついに最終章だ。玲二は、数寄矢(すきや)会会長(岩城滉一)に手錠をかけられるのか。

脚本は宮藤官九郎(くどう・かんくろう)、監督はバイオレンスの巨匠、三池崇史(みいけ・たかし)。平成26年公開の1作目は宮藤の笑いの要素を物ともせず三池色が濃く出たが、新作は笑いに寄せた印象。しかも子供じみた、ばからしい笑いだ。だが、その反動で、堤真一と岩城がにらみ合うシリアスなクライマックスの迫力が一層際立つ。宮藤と三池ならではだろう。

暴力組織が舞台。バイオレンス映画だから万人向けとは言わない。だが、演者は皆いい。生田は今回も体を張って熱演。堤は相変わらず要所を締める。客演の鈴木亮平は、すっかり悪党が板についた。滝沢カレンは、堅実な演技力を示す。仲里依紗(りいさ)、遠藤憲一らレギュラー陣が手堅いのは、いうまでもない。

7年越しの大団円だが、感傷は排除し、余韻も残さないのも、このシリーズらしいか。

19日から東京・TOHOシネマズ日比谷、大阪・TOHOシネマズ梅田などで全国公開。2時間9分。(健)


■「茲山魚譜-チャサンオボ-」

19世紀初頭の朝鮮王朝時代、カトリック教徒だったため島に流刑された実在の人物、丁若銓(ソル・ギョング)が海洋生物学書「茲山魚譜(チャサンオボ)」に記した史実を基に、水墨画のようなモノクロームで描いたヒューマンドラマ。韓国映画。

映画「茲山魚譜-チャサンオボ-」の一場面(C)2021 MegaboxJoongAng PLUS M & CINEWORLD. ALL RIGHTS RESERVED.
映画「茲山魚譜-チャサンオボ-」の一場面(C)2021 MegaboxJoongAng PLUS M & CINEWORLD. ALL RIGHTS RESERVED.

モノクロ映像にしたのは、監督のイ・ジュニクによれば「物体や人物が持っている本質的な形態がよりはっきりと伝わる」。確かに無彩色により登場人物の表情や声のトーンに集中できる。

しかもカラーでないのに、太陽の光をキラキラと反射させる海など景色の美しさも伝わってくるので不思議だ。19日から東京・シネマート新宿、大阪・シネマート心斎橋などで全国順次公開。2時間6分。(啓)