軍師黒田の球界ぶっちゃけ話

負け数減らす中継ぎ陣整備を

CSファーストステージ初戦、阪神は巨人バッテリーにエンドランを見破られた=甲子園
CSファーストステージ初戦、阪神は巨人バッテリーにエンドランを見破られた=甲子園

--阪神はクライマックスシリーズ(CS)のファーストステージで巨人に連敗を喫し、あっけなく終戦となりました

黒田「レギュラーシーズンの戦い方をみると、阪神が優勝すると思っていた。CSの初戦は高橋と菅野の投げ合いだったが、巨人は緻密に先制点を取りにきた。五回無死一塁で、ウィーラーに犠牲バントさせた。その裏、阪神も無死からマルテが出塁したが、糸原がヒットエンドランをしようとして見破られた。なぜ、巨人と同じように走者をきっちりと二塁に送らなかったのか。それが響いた気がする。最初の走者が出てすぐにエンドランを仕掛けるのは、短期決戦では大胆すぎる」

--一つのプレーで流れが変わる怖さですね

黒田「特に走塁死とかは響くもんだよ。首脳陣はそういう経験をしているはずなんだけどね。レギュラーシーズンで調子が良くなかった菅野も重圧を感じていたはず。阪神が五回に1死二塁に走者を送っていたら、また流れが変わっていたと思う」

--結果的に菅野をのせてしまったわけですね

黒田「(日本ハムの監督に就任した)新庄(剛志氏)も言っていたよね。安打を打たなくても点を取る方法はある。四球で出て、バントで送って、盗塁してスクイズとか。短期決戦はそういう戦い方をしないとね」

--初戦を0-4で落とした後、2戦目で挽回できなかったのはなぜですか

黒田「挽回はできたんだ。ところがエラーが出た。三回の中野。そこを先発の青柳がきっちり抑えないとね。エースの役目だと思うよ」

--以前にも「みんなでカバーするのが大事」とおっしゃっていました

黒田「バッテリーがしっかりしなきゃいけなかったんだけどね。無死一、二塁で迎えた代打の特徴を分かっていなかったんじゃないかな。打ち取っていれば、一気に3点も奪われることはなかった。世間の人は『エラーで負けた』というけど、問題は後続を抑えられるかどうかなんだよ」

--4年目を迎える矢野阪神が雪辱のためにするべきことは何でしょう

黒田「矢野監督は無難な人だからね。どういう戦略を練っていくかだね。1点が欲しいときにどうするか。二塁に走者を進めるのが監督の役目。そこから(本塁に)かえす、かえさないは打者の役目だよ。常に得点圏に走者を進めるのが強いチームだと思う」

--残念なシーズンでしたが、12球団で最も多く勝ったチームではありました

黒田「いやいや。なぜヤクルトの後塵(こうじん)を拝したかといえば、負け数が多かったからだよ。勝率で競うのだから、いくら勝っても、負けが多いとダメ。負けを減らし、それを引き分けにしなきゃいけない。そのために大事なのは、負けている展開で登板する中継ぎ投手が余計な追加点を与えないようにすること。それで追いつく可能性が高まる。そこの整備だね。(4年連続12球団最多の)失策については、送球のミスを減らすこと。キャッチボールから丁寧にしていけばいい」

--最後に日本ハム監督に就任したビッグボス、新庄氏の印象はどうでしょう

黒田「(阪神時代に)野村監督に自分から打撃のアドバイスを求めにいっていた。見た目はちゃらんぽらんなところがあるが、すごくまじめ。陰でずっと努力してきた。そうじゃないと、米大リーグで活躍できないよ」

南海(現ソフトバンク)で野村克也さんとプレーし、阪神、西武でヘッドコーチなどを務めたサンケイスポーツ専属評論家の黒田正宏さん。球界事情に詳しい「軍師」がファンの質問に答えます。(毎月第3金曜日掲載予定)