古代エジプト展名品紹介(4)

動物ミイラ 神のささげもの

11月20日から兵庫県立美術館で「ライデン国立古代博物館所蔵 古代エジプト展」(産経新聞社など主催)が始まります。展示品から、えりすぐった品々を5回にわたり紹介します。第4回は「ワニのミイラ」です。

ワニのミイラ

ワニのミイラ ローマ時代(前30-後395年頃)高さ5.8×幅7.7×長さ38.5センチ Image©Rijksmuseum van Oudheden(Leiden, the Netherlands)
ワニのミイラ ローマ時代(前30-後395年頃)高さ5.8×幅7.7×長さ38.5センチ Image©Rijksmuseum van Oudheden(Leiden, the Netherlands)

ミイラは人間のものだけとはかぎらない。今回はいくつかの動物のミイラもやってくる。

古代エジプトには動物の頭をもつ神像があるが、当時の人びとは、神々が動物の姿をとることもあると考えた。さまざまな動物のもつ固有の力に敬意をはらうことも忘れなかった、ということなのであろう。

ゆえに、動物の像も多く作られた。今回も愛らしいネコやイクニューモン(マングース)、ヒヒやコウモリ、コブラにサソリなど、青銅や石灰岩で作られたさまざまな像がやってくる。

後期王朝に入ると、こうした動物が特定の神へのささげものとしてミイラにされるようになった。たとえば、ヘルモポリスの動物墓地から見つかった何百万羽ものトキのミイラは、トト神の奉納品にされたもの。

今回、そのトキなどとやってきたのが、このワニのミイラ。亜麻布と木の棒でワニの幼体をかたどったものだが、X線調査で、中身は成体ワニの首のウロコ一片だけとわかった。CTスキャンでも内部が確認されるようになって、動物ミイラの解明も進んでいる。(正木利和)