浪速風

剛毅木訥の大谷翔平

世の中には、なんと「巧言令色(こうげんれいしょく)」な方々の多いことか。口先だけで言葉を飾ったり、うわべだけ愛想よく取り繕ったりすることを指す。そうでなければ、出世はおぼつかないのかもしれない。出典は『論語』だが、孔子はそういう人物を「鮮(すくな)し仁」(最高の徳である仁が欠けている)と評した

▼では「巧言令色」の対義語はご存じだろうか。「剛毅木訥(ごうきぼくとつ)」。意志が強くしっかりしていて、飾り気がないこと。同じく『論語』の中で「仁に近し」と形容されている

▼米大リーグで最優秀選手に選ばれたエンゼルスの大谷翔平には、「剛毅木訥」の雰囲気が漂う。口さがない評論家から否定的な意見を浴びても投打の二刀流を貫き、逆に周囲からちやほやされても浮足立たない。誰もまねできないプレーはもちろんだが、地に足をつけた立ち居振る舞いも人気の秘訣(ひけつ)だろう。「もっと高くいける」と、一層の飛躍を期す大谷には、これからも「巧言」に惑わされないでほしい。