脱炭素で電事連・池辺会長「安定供給へ適切な移行を」

記者会見する電気事業連合会の池辺和弘会長(前列右)=東京都千代田区
記者会見する電気事業連合会の池辺和弘会長(前列右)=東京都千代田区

脱炭素に向けた取り組みが金融業界でも加速している。英グラスゴーで開かれた国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)では、金融面からも地球温暖化対策を進めることが確認されたが、現状を無視した性急な手法をとれば安定供給を損なうことになる。電気事業連合会の池辺和弘会長(九州電力社長)は19日、東京で開かれた定例会見で「現状は石炭から天然ガスへのトランジッション(移行)が適切だ。火力発電への投資を急にやめれば電力の安定供給ができなくなる」と危機感を示した。

「脱炭素は国の実情にあった道のりが重要だ。段階的削減に向けた努力を加速する各国の意見を取り入れた結果だろう」

COP26での議論をめぐっては池辺氏は会見でこう評価した。各国の施策についてゴルフにたとえ「力や体調にあわせ(スコアを)刻んでいく必要がある。無理に飛ばせばOBになる。電力供給で言えば、ブラックアウトや計画停電を招くことで、それは防がなければならない」と強調した。

先細る上流投資

「すべての金融活動の意思決定が気候変動を考慮に入れたものになるよう必要な体制が整ってきた」

今月3日、COP26で、国連気候変動問題担当特使のマーク・カーニー氏(英中央銀行イングランド銀行前総裁)はこう強調。国連が主導し、世界450以上の金融機関が結成したグラスゴー金融同盟が今後30年で100兆ドル(約1京1400兆円)を供給する見通しを示した。これらの資金は再生可能エネルギーの開発や電気自動車(EV)の普及促進など、炭素に向けた事業に投じられる見込みだ。