コロナ禍で部員減、体験会中止…マイナースポーツ苦境

ラクロスの練習に汗を流す部員たち。緊急事態宣言中は練習ができなかった=大阪市天王寺区の興国高校
ラクロスの練習に汗を流す部員たち。緊急事態宣言中は練習ができなかった=大阪市天王寺区の興国高校

新型コロナウイルス下の高校や大学で、ラクロスなど競技人口の少ないマイナースポーツの部活動が苦境に立たされている。緊急事態宣言中でも全国高校総体(インターハイ)などへの出場が控える部は練習が認められるケースが多かったが、こうしたマイナースポーツは公式戦がなく、活動が完全に停止。感染対策で新入生の勧誘ができず部員数も減り、競技人口減少を懸念する声も上がっている。(藤井沙織)

「広がれ!」「もっと声出せ!」

10月下旬、私立興国高校(大阪市天王寺区)のグラウンドに、ラクロス部の部員らの声が響いた。大阪府などに緊急事態宣言が出ていた9月末までは活動ができなかったが、10月から再開。この日は引退した3年も含めた約20人でミニゲームを行った。2年で主将の荻原朱理(しゅり)君(16)は「部活ができてうれしい。早く試合がしたい」と笑った。

高校のラクロス部は全国的に少なく、近畿圏で男子は同校のみという。例年は大学のラクロス部と練習試合をし、夏に首都圏の高校と合同合宿を行っていた。だがコロナ禍で昨年度から他校との交流はほぼできず、練習再開の条件となる公式戦もないため長く活動休止に。中本駿平監督は「生徒は仕方がないと受け入れながらも、練習したいという思いをくすぶらせていた」と話す。

「魅力」伝えられず

練習ができないだけでなく、部員も減った。感染対策で新入生の勧誘が制限されたからだ。昨年4月、初の緊急事態宣言が発令され一斉休校となった際は、学校再開後に勧誘ができたが、今年度は4月半ば以降、部活動が原則休止に。体験会もできず、1年の新入部員は目標の10人を下回る6人にとどまった。

同様の影響は大学でもある。ラクロスは他のスポーツ経験者が大学から始めることが多い。立命館大男子ラクロス部の大和田和大監督は「多くの学生は競技を見たことがない。新入生の獲得には勧誘で魅力を伝えることが重要」と話す。だが、昨春は授業のオンライン化によりキャンパスでの勧誘が一切できず、例年は約30人ほどの新入部員が10人にとどまったという。

日本ラクロス協会によると、大学のラクロス部は男女合わせて約270チーム。1年部員は例年6月のピーク時で約4千人だが、昨年度はピーク時で約2千人と半減した。

「日本の将来的な競技力に影響する」。事態を重くみた同協会は今春から、動画広告などで新入生向けのPRを開始。学生にはSNS(会員制交流サイト)などでの情報発信を促し、今年度のピーク時の1年部員は約3千人になった。とはいえ、部の存続が危ぶまれるほど部員数が減った大学もあり、協会担当者は「継続してサポートする」としている。