正論

専守防衛から「戦略守勢」へ転換を 東洋学園大学客員教授・元空将 織田邦男

織田邦男氏
織田邦男氏

我が国の安全保障政策の基本に「専守防衛」がある。これは国際用語ではなく、国内で通用する政治的造語である。それだけに同床異夢が生じやすく、安全保障論議を稚拙なものにしてきた。未(いま)だに「一切攻撃しないで守りに徹する」と真顔で主張する政治家もいる。

危機管理で求められる牛刀

防衛白書は次のように説明する。「専守防衛とは、相手から武力攻撃を受けたときにはじめて防衛力を行使し、その態様も自衛のための必要最小限にとどめ、また、保持する防衛力も自衛のための必要最小限のものに限るなど、憲法の精神に則(のっと)った受動的な防衛戦略の姿勢をいう」

似た用語に「戦略守勢」がある。こちらは国際用語だが似て非なるものがある。武力攻撃を受けてはじめて立ち上がるのは同じだが、違うのは「必要最小限」でなく「合理的」であるところだ。

「鶏を割くに焉(いずく)んぞ牛刀を用いん」という故事がある。小さなことを処理するのに、大げさな手段を取る必要はないという喩(たと)えである。だが危機管理においては、「牛刀」が求められる。

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