奈良県医師会の安東範明会長は18日の定例記者会見で、新型コロナウイルスの感染者数が激減したことについて、「ワクチンの効果が大きい」とした上で「時間が経過するにつれ、抗体の数は減ってくる。3回目の接種を推進したい」と述べた。
県によると、1日の新規感染者数は10月中旬から、ほぼ1桁台で推移。11月12~15日には4日連続で新規感染者がゼロとなるなど、流行は落ち着いた状態となっている。
安東会長は「ワクチン接種が今年6月以降、急速に進み多くの人が抗体を持ったため」と分析。「感染者を抑えるには、3回目接種の推進が重要。積極的に打ってほしい」と話し、各市町村などと連携し進めていく考えを示した。
新型コロナのワクチンの3回目接種について、県は来月にも医療従事者を対象に実施していく方針。
一方、来月からは、コロナ禍で経営が悪化した飲食店や宿泊施設を支援する県のキャンペーンが始まるほか、人の動きが活発化する年末年始も控える。
安東会長は、「密」の回避など感染対策の徹底に加え、「感染状況にアンテナを張り、第6波の兆候があれば、県や市町村は躊躇(ちゅうちょ)せず、対策を取ることが重要だ」と話した。
県医師会は今月から新型コロナの宿泊療養者を対象にかかりつけ医による電話診療体制をスタート。薬局が、かかりつけ医が交付した処方箋をもとに、宿泊施設に薬を届ける運用を行っている。