展示捕鯨船、約10年8カ月ぶりに公開再開 東日本大震災で被災

改修工事が完了した展示捕鯨船「第16利丸」の前で、太鼓を演奏する地元の小学生=18日、宮城県石巻市(石崎慶一撮影)
改修工事が完了した展示捕鯨船「第16利丸」の前で、太鼓を演奏する地元の小学生=18日、宮城県石巻市(石崎慶一撮影)

かつて国内有数の捕鯨基地として栄えた宮城県石巻市鮎川地区で陸上保存され、東日本大震災で被害を受けた大型捕鯨船「第16利(とし)丸」の改修工事が完了し、18日、約10年8カ月ぶりに公開が再開された。

第16利丸は昭和33年に建造された総トン数約758トン、長さ約68・4メートルの大型捕鯨船。南氷洋捕鯨で活躍するなどした後、62年に現役を引退した。「クジラのまち」のシンボルとして観光施設「おしかホエールランド」のそばで公開されていたが、震災で被災。津波で流されなかったものの、老朽化も進んでいたことから、安全対策を含む改修工事が行われていた。

この日は公開の再開を記念し、第16利丸には色とりどりの大漁旗が掲げられた。同市で17、18の両日開催の「全国鯨フォーラム」の参加者らが、船の先端部で、クジラに向けて銛(もり)を放つ捕鯨砲を撮影するなど熱心に見学していた。

震災で被災したおしかホエールランドは、再建されて昨年7月に開館し、現在は観光物産交流施設「Cottu(こっつ)」などと「ホエールタウンおしか」を形成している。第16利丸の公開の再開について、地元の女性(83)は「新型コロナウイルスが落ちついたら、たくさんの観光客に見に来てほしい」と期待していた。

第16利丸への乗船は無料だが、一部立ち入り禁止の場所がある。施設を運営する一般社団法人「鮎川まちづくり協会」の斎藤富嗣代表理事は「実際に捕鯨で活躍した船に乗り、砲台を見ることで捕鯨をイメージしてもらえると思う。見て、触って、捕鯨の歴史を感じていただきたい」と話している。