ベトナムに初の都市鉄道 中国支援、大幅遅れで開業

6日、ベトナムの首都ハノイに開業した都市鉄道(共同)
6日、ベトナムの首都ハノイに開業した都市鉄道(共同)

【シンガポール=森浩】ベトナムの首都ハノイで、同国初の都市鉄道がこのほど開業した。慢性的な渋滞の緩和に向けて中国の支援で建設が進んだが、開業は6年遅れ、費用も膨れ上がったいわくつきの事業だ。市民がどれほど利用するかも未知数で、交通運輸省担当者は「インフラ開発に関する大きな教訓となった」と述べている。

6日に開業した都市鉄道は高架式で、ハノイの中心部と南西部の約13キロを結び、12駅が設置されている。設計や建設を請け負ったのは中国企業「中鉄六局集団」だ。建設費の8割を中国の政府開発援助(ODA)で賄った。

都市鉄道は2011年に正式着工されたが、ルート変更や安全面での問題が相次ぎ、当初は15年だった開業予定は、約10回にわたって延期となった。工事が遅れた一因として、交通運輸省担当者は「中鉄六局集団が期限内に事務処理を完了できなかった」と指摘している。

総工費も当初の見積もりから57%増の8億6800万ドル(約1千億円)に拡大。中国業者から下請け業者への代金不払いなども問題化した。

さらに、各駅までのバス路線といった周辺の交通網整備が遅れており、需要は読めない面が多い。地元メディア「VNエクスプレス」は、利用者が伸び悩めば「政府が投資を回収できず、(都市鉄道が)経済的な重荷になってしまう可能性がある」との専門家の見方を紹介している。