朝晴れエッセー

ビブリオバトル・11月18日

1人5分間でお薦めの本について語り「どの本が一番読みたくなったか」を参加者同士の投票で決定するビブリオバトル。

先日初めて、職員として勤務していた学校で実際に行われている様子を見る機会があった。

物おじせず自信に満ちた表情で語る子もいれば、目いっぱい楽しそうに話す姿に私まで楽しい気持ちにさせてくれる子もいる。緊張のせいか時折言葉に詰まる子からも、かえって胸の内のあふれんばかりの思いが伝わってくる。

生徒それぞれにスタイルは違えども、本への思いを懸命に表現しようとしているのは皆同じだ。その姿に心を揺さぶられる一方で、ふと思った。

日々欠かさず読書を続けてきて、お薦めしたい本なら山ほどある。だが、今私に5分という時間が与えられたとして、あの子たちのように語ることができるだろうか。

たぶん答えはノーだ。いくつ歳を重ねても人前で話すことが得意ではないという理由もあるが、表現することにチャレンジしようと思えるか否かが、生徒たちと私との一番の違いだろう。

表現への門は、年齢に関係なく誰にでも開かれているのに、何だかもったいないことのように感じられた。

ビブリオバトルを見た後、早速図書館に足を運び、1冊の本を借りた。まぶしいほどの笑顔で生徒が紹介していた本は、表紙からして何だかきらりと輝いてみえた。

生徒が語ってくれた本の魅力を、私は私の言葉で誰かに伝えてみたい。読書の秋の後半戦に読書の新たな楽しみが加わった。

永野宏 46 千葉県習志野市