日米韓が外務次官協議、対中・対北など協議も日韓関係が足かせ

今年7月に協議に臨んだ(左から)韓国の崔鍾建外務第1次官、森健良外務事務次官、米国のシャーマン国務副長官=東京都港区の飯倉公館(代表撮影)
今年7月に協議に臨んだ(左から)韓国の崔鍾建外務第1次官、森健良外務事務次官、米国のシャーマン国務副長官=東京都港区の飯倉公館(代表撮影)

【ワシントン=大内清】日米韓3カ国の外務次官協議が17日、米首都ワシントンで行われ、中国による東・南シナ海での覇権的海洋進出や、台湾海峡の平和と安定の維持、弾道ミサイル発射を繰り返す北朝鮮への対応などを議論した。3者はインド太平洋地域における協力の重要性などで一致する半面、当初予定されていた共同記者会見が急遽、「日韓間の意見の不一致」を理由に米国単独に変更されるなど、悪化した日韓関係が3カ国の連携強化の足かせとなっていることも浮き彫りとなった。

協議には、森健良(もり・たけお)外務事務次官とシャーマン米国務副長官、韓国の崔鍾建(チェ・ジョンゴン)外務第1次官が出席した。3者による協議は今年7月以来となる。

国務省によると3者は、北朝鮮の核・弾道ミサイル開発の脅威への対処や朝鮮半島の完全非核化の実現に向け、緊密な連携を確認。インド太平洋の安定化には東南アジア諸国連合(ASEAN)が中心的な役割を果たすとの認識でも一致した。また3者は、気候変動や新型コロナウイルス対策、サプライチェーン(供給網)の強靭化、人権と民主的価値の擁護などでも協力を話し合った。

バイデン政権は、中国による台湾への威圧や東・南シナ海での現状変更の試みを抑止するため、日本などと進める「自由で開かれたインド太平洋」に韓国を取り込みたい考え。この日の外務次官協議もその一環と位置付けられ、当初は協議後に3者の共同記者会見が予定されていた。

しかし、「次官協議の議題とは無関係な、日韓間の懸案での意見の不一致」(シャーマン氏)で会見形式を変更せざるを得ず、シャーマン氏が単独で会見。韓国の金昌龍(キム・チャンリョン)警察庁長官が16日、同国が不法占拠する竹島(島根県隠岐の島町)に上陸したことなどが影響した可能性がある。シャーマン氏は次官協議を「建設的」だったと述べたものの、ホスト国としてはメンツをつぶされた格好だ。

一方、17日の次官協議やその前日に行われた米韓協議で韓国側は、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が提唱する朝鮮戦争の終戦宣言についても提起したとみられる。記者会見でこの点について聞かれたシャーマン氏は「他の同盟・パートナー諸国も含めて議論を続けていく問題」などと述べるにとどめ、終戦宣言の実現にこだわる文政権との温度差が鮮明となった。