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最古級の人工池を発見、渡来人が築造か 奈良・高取町

清水谷遺跡で見つかった国内最古級になる人工の池の跡=17日、奈良県高取町(永田直也撮影)
清水谷遺跡で見つかった国内最古級になる人工の池の跡=17日、奈良県高取町(永田直也撮影)

奈良県高取町の清水谷(しみずたに)遺跡で、川原石を積んで護岸を施した古墳時代中期(5世紀中頃)の人工の池の跡が見つかり17日、町教委が発表した。高取町一帯は古代の渡来人の居住地とされており、町教委は「渡来人が造った国内最古級の人工の池」とみている。

池は東西26メートル、南北13メートル、深さ60センチ。石組みの護岸を施し、西側に排水溝を設けていた。焼けた土器や木製品も出土し、池で水の祭祀(さいし)が行われていたと推定される。

同町ではこれまでに大壁(おおかべ)建物と呼ばれる朝鮮半島から来た渡来人の住居跡(古墳時代)が約40棟出土し、渡来人が多く住んでいたとみられる。

町教委によると、日本書紀の「応神7年の条」には「高麗(こま)人や百済人などが来朝し、池を造り、その池を韓人(からひと)池という」と記されており、今回の池は、こうした記述にみられるような渡来人が造った人工の池だったとしている。

ほぼ同時期の人工の池の跡は大阪府東大阪市の神並(こうなみ)・西ノ辻遺跡や奈良県御所市の南郷大東遺跡でも出土。両遺跡では木樋(もくひ)(木製のパイプ)も見つかり、水を流して祭祀を行った導水(どうすい)施設の一部と考えられている。

小山田宏一・大阪府立狭山池博物館長(考古学)は「小規模な池で灌漑用とは考えにくい。神並・西ノ辻遺跡にみられるような祭祀を行った導水施設の貯水池だったのではないか」としている。現地説明会は行わない。