しゃにむに事業拡大「父の上を行きたかった」 ケフィア事件公判で元代表

鏑木秀弥被告
鏑木秀弥被告

通信販売会社「ケフィア事業振興会」が加工食品のオーナー制度などの名目で多額の資金を不正に集めて破産した事件で、詐欺と出資法違反の罪に問われた元代表、鏑木秀弥被告(85)の公判が17日、東京地裁(佐伯恒治裁判長)で開かれ、被告人質問が行われた。鏑木被告は、グループの事業拡大を続けた理由について「とにかく会社をどんどん大きくして、事業家だった父親の上を行くような仕事をしたかった。妄執で資金の募集を続けてしまった」と述べた。

同社は全国の延べ約4万4000人から計約2100億円を集めたとされる。検察側の冒頭陳述によると、被告は同社からの借入金を原資に関連会社を多数設立し、農業法人や温泉施設の経営、金の採掘まで手掛けていた。

この日の被告人質問では、平成24年に導入したオーナー制度について「売り上げを計上する経理体制を作っており、出資法違反ではないと思った」と説明。当時の法務部長から大手法律事務所の見解として違法性を指摘されたが「『完全にクロではないならいいんじゃないか』とやってしまった」と振り返った。

シンクタンクの提案で始めた九州での新規事業に失敗し、29年5月には2億円超の客への未払い金が発生。同年末には100億円超にまで膨れ上がったが、「二十数年やった会社だから、資金の募集を継続すれば頑張れないのかなと思った」とした。

同社は創立当初、健康食品の通信販売をしていたが「オーナー制度を始めてからは単に金を集める組織になった」という。鏑木被告は「商品を買っていただくお客さまに、金の募集をしたことが大変な間違いだった」と反省の弁を述べた。