米の北京五輪外交ボイコット報道  日本政府は静観「各国対応見て」

記者会見する松野官房長官=17日午前、首相官邸
記者会見する松野官房長官=17日午前、首相官邸

来年2月の北京冬季五輪をめぐり米政府が使節団を送らない「外交ボイコット」を近く発表するとの米紙報道に関し、日本政府は静観の構えだ。政府内ではスポーツ庁の室伏広治長官を派遣する案も取り沙汰されるが、先進7カ国(G7)の動向を見極めて最終判断する見通しだ。

松野博一官房長官は17日の記者会見で、北京五輪への政府要人派遣について「現時点では、わが国要人の出席について何ら決まっていない。北京五輪・パラリンピックが五輪の理念にのっとり、平和の祭典として開催されることを期待している」と述べるにとどめた。米政府の対応に関しても正式発表されていないためコメントを避けた。

北京五輪に関し、自民党内では中国の人権状況を問題視する議員を中心に「人権問題が改善されなければ、北京五輪に政府派遣はすべきではない」との声もある。中国政府もこうした声を警戒しており、孔鉉佑(こ・げんゆう)駐日大使は今夏以降、自民党議員に接触して日本政府の要人派遣に反対しないよう働きかけている。

7月の東京五輪開会式で、中国政府は孫春蘭(そん・しゅんらん)副首相の派遣を検討していると報じられたが、最終的には「格下」の苟仲文(こう・ちゅうぶん)国家体育総局長が出席した。北京五輪には「返礼」として室伏氏や閣僚級の出席も見込まれるが、欧米諸国の対応が不透明な中で突出することも避けたい思いがにじむ。外務省幹部は「各国の対応をみながら議論されていくのではないか」と語った。

(千葉倫之、豊田真由美)