古代エジプト展名品紹介(2)

ミステリアスなファラオ

11月20日から兵庫県立美術館で「ライデン国立古代博物館所蔵 古代エジプト展」(産経新聞社など主催)が始まります。展示品から、えりすぐった品々を5回にわたり紹介します。第2回は「ツタンカーメン王の倚像(いぞう)」です。

ツタンカーメン王の倚像

ツタンカーメンの倚像
新王朝時代、第18王朝、前1330年頃高さ67.0 幅33.0 奥行54.0
Image©Rijksmuseum van Oudheden(Leiden, the Netherlands)
ツタンカーメンの倚像 新王朝時代、第18王朝、前1330年頃高さ67.0 幅33.0 奥行54.0 Image©Rijksmuseum van Oudheden(Leiden, the Netherlands)

古代エジプトで最も名の知られたファラオ(君主)のひとりが、美しい黄金のマスクで知られるツタンカーメンであろう。

1922年、王家の谷のほぼ手付かずの王墓から、若くして亡くなった王の棺とミイラが、数多くの副葬品とともに英国の考古学者、ハワード・カーターによって発見された。この発見のニュースは当時、驚きをもって迎えられ、墓を荒らす者はすぐに亡くなるだろう、という有名な「ファラオの呪い」の話がジャーナリストによって広められたことも手伝って、世界中に旋風を巻き起こした。

この椅子に腰かけた像はアメン神として表された、そのツタンカーメン。首から上はないものの、背後にしるされた文字によって、ツタンカーメンであることが判明している。

第18王朝で紀元前1332~1324年頃まで王位にあったツタンカーメンは宗教改革を行った王といわれており、死因も事故死、病死のほか暗殺説まであるほどミステリアス。この倚像(いぞう)の首も、抵抗勢力に切り取られてしまった可能性がぬぐえないとされる。(正木利和)