山梨県で2つの観光MaaS ワイナリーや温泉など回遊 顔パスも

やまなし観光MaaSの出発式で「PiiMo」を試乗する山梨県の長崎幸太郎知事(右から2人目)=3日、甲府市の昇仙峡(平尾孝撮影)
やまなし観光MaaSの出発式で「PiiMo」を試乗する山梨県の長崎幸太郎知事(右から2人目)=3日、甲府市の昇仙峡(平尾孝撮影)

情報通信技術(ICT)を活用して、多様な交通機関を組み合わせた移動をスムーズにする次世代交通の仕組み「MaaS(モビリティー・アズ・ア・サービス)」。山梨県では観光分野で2つの実証実験がスタートしている。甲府市、山梨市など甲府盆地内部での取り組みと、富士五湖地域での顔認証を活用した実験だ。観光立県を掲げる山梨県だが、交通面や周遊面で課題も多く、MaaSを解決の糸口につなげる狙いだ。

甲府盆地がテーマパーク

自動追尾機能を備えた1人乗りの車いす型の乗り物「PiiMo(ピーモ)」が、甲府市の景勝地、昇仙峡の道路を時速約4キロで進む。試乗する長崎幸太郎山梨県知事は「テーマパークのアトラクションのようで楽しい」と上機嫌。県や観光関連事業者などで構成する「やまなし観光MaaS推進協議会」の甲府、笛吹、山梨、甲州の4市をエリアとした実証実験のデモンストレーションだ。

やまなし観光MaaSは、甲府盆地内の東側を「シンゲンランド」とテーマパークに見立て、ワイナリー、景勝地、温泉地、武田信玄公ゆかりの地などをあたかもアトラクションのように設定。これらを複数の臨時運行の周遊バスと乗客同士が効率的に乗り合えるように人工知能(AI)が最適化する「AI乗合タクシー」などで結ぶ。ピーモのような自動追尾型の小型の乗り物の公道走行も国内初だ。

非接触ニーズに応える

富士急行、パナソニックなどが富士五湖周辺で取り組むのが「富士山エリア観光DX革新コンソーシアム」だ。

国内のMaaS実証実験では初となる顔認証による周遊電子チケット「顔認証デジタルパス」を活用。エリア内の観光施設や周遊バス、鉄道の入場や決済が〝顔パス〟で、シームレスに利用できる。コロナ禍で高まっている「非接触」ニーズに対応できることも売りで、12月末までの2カ月間実施する。