大谷翔平 イチロー超えMVP「満票」選出なるか

今季の大谷は本塁打王は惜しくも逃したが、46本塁打を放った(ゲッティ=共同)
今季の大谷は本塁打王は惜しくも逃したが、46本塁打を放った(ゲッティ=共同)

米大リーグ、エンゼルスの大谷翔平(27)がア・リーグの最終候補3人に残った最優秀選手(MVP)が、日本時間の19日朝、発表される。メジャーリーガーにとって最高の栄誉であるMVPに輝いた日本選手は2001年のイチロー(48)のみ。野茂英雄(53)や松坂大輔(41)、ダルビッシュ有(35)らも受賞には至らなかった。今季、投打の「二刀流」で歴史的ともいえる活躍を見せた大谷は現地では単なる受賞だけでなく、2位にどれだけ大差をつけるかが注目されている。

イチローでも僅差

MVPはレギュラーシーズンの成績を対象に、各本拠地から選ばれた全米野球記者協会2人ずつの会員の投票でア、ナ両リーグ1人ずつを選出する。投票は10人連記で1位は14点、2位は9点、3位以下は1点ずつ下がって10位は1点となり、合計点で決める。

日本選手で唯一、MVPを受賞したのは、01年のイチロー。この年、マリナーズで米大リーグにデビューしたイチローは開幕から順調に安打を積み重ね、オールスター戦に両リーグ最多得票で選出。最終的には米大リーグの新人最多安打記録を更新する242安打を放ち、打率3割5分で首位打者、56盗塁で盗塁王のタイトルを獲得した。

それでもMVPの投票で1位票を獲得したのは28人中、半数に満たない11人。2位とは8点差の289点での受賞だった。

最多勝でも14位

翌年以降も活躍を続けたイチローだが、2度目の受賞は果たせなかった。キャリアのピークともいえる04年は米大リーグのシーズン最多安打記録を84年ぶりに塗り替えて262安打を放ち、打率3割7分2厘で2度目の首位打者に輝いた。それでもMVPの投票では98点で、ア・リーグ7位にとどまった。

投手としても完全復活し、9勝を挙げた大谷(共同)
投手としても完全復活し、9勝を挙げた大谷(共同)

他の日本選手も、MVP争いでは芳しくない。米大リーグ2年目に当たる08年の松坂は18勝3敗と抜群の勝負強さを見せ、勝率はリーグ2位の8割5分7厘、防御率もリーグ3位の2・90の成績を残したが、候補にも挙がらなかった。

昨季のダルビッシュは新型コロナウイルス禍のため例年の半分以下の60試合制で行われた中でも8勝を挙げ、日本投手初となる最多勝のタイトルを獲得。防御率もリーグ2位の2・01という好成績だったが、MVPの投票では14点で14位だった。日本選手の活躍が大きく報じられる日本から見た印象と、現地メディアの評価は必ずしも一致しないことが分かる。

2015年以来の快挙は

だが、大谷の今季の成績は、米国でも別格ととらえられているようだ。それはMVPの前哨戦ともいえる賞レースの結果からも浮かび上がる。

大谷は11月15日には日本記者クラブで記者会見し、充実した今季を振り返った(桐山弘太撮影)
大谷は11月15日には日本記者クラブで記者会見し、充実した今季を振り返った(桐山弘太撮影)

大谷はレギュラーシーズン終了後、専門誌による年間最優秀選手に相次いで選ばれ、米大リーグ選手会が選手間投票で選出する年間最優秀選手「プレーヤー・オブ・ザ・イヤー」も受賞。歴史的な偉業を達成した選手やチームなどを対象とするコミッショナー特別表彰も7年ぶりに受けた。

ア・リーグのMVP最終候補の残り2人はともに打者で、ブルージェイズのゲレロとセミエン。ゲレロは48本で本塁打王を獲得し、セミエンは全162試合に出場して45本塁打、102打点を挙げた。

これに対し、大谷の打撃成績はリーグ3位の46本塁打に100打点、打率2割5分7厘。ただ、投手としても9勝2敗、防御率3・18、156奪三振の成績を収めた二刀流のインパクトは絶大だ。現地報道では満票での受賞すら予測に挙がっており、実現すれば2015年以来の快挙となる。