習近平氏、「歴史決議」で長期政権へ布石

「歴史決議」を採択した中国共産党の6中総会。中央は習近平党総書記(国家主席)=北京(新華社=共同)
「歴史決議」を採択した中国共産党の6中総会。中央は習近平党総書記(国家主席)=北京(新華社=共同)

【北京=三塚聖平】中国共産党が16日に全文を公表した党創建100年の歴史を総括する「歴史決議」は、習近平総書記(国家主席)が率いる現指導部の業績強調に全体の半分以上の文字数を費やした。決議案の策定は習氏の主導で進められており、長期政権に向け布石を打つことを重視する意図が明白に読み取れる。

決議の名称は「党の100年の奮闘の重大成果と歴史経験に関する決議」で、全7章、約3万6千字で構成されている。目立つのは習氏に関する記述の多さだ。個人名への言及は、習氏が14回で最も多く、毛沢東が11回、鄧小平が3回。江沢民元総書記と胡錦濤前総書記はそれぞれ、1回のみだった。

習氏の総書記就任以降の9年間に関する記述は、全体の半分以上の1万9千字余りに達する。毛時代は5500字超、鄧から江、胡両氏までの時代はまとめて4100字超だ。江、胡両氏は鄧と同じ時代に入れられ、相対的に鄧の存在も小さくなっている。

鄧の主導で進められた改革開放政策については、「中国人民と中華民族の発展史における偉大な革命」とした習氏の2018年の演説での評価を踏襲した。一方で、改革開放後に「矛盾や問題」に直面したと指摘し、習指導部がそれにどう対処したかを詳述。習指導部が進めた巨大経済圏構想・一帯一路などを列挙し、「反腐敗」では「党内の利益集団の形成を防いだ」と強調。汚職で失脚した周永康・元政治局常務委員らの名前を挙げた。

習氏個人への礼賛は当初予想されていたよりも抑えられている。国営メディアが習氏をたたえて使っていた「人民の領袖(りょうしゅう)」といった文言は盛り込まれなかった。ただ、鄧時代の歴史決議で強調された「個人崇拝」を戒める文言もなくなった。

決議の最終章に当たる「新時代の中国共産党」では、「35年までに社会主義現代化を基本的に実現し、今世紀半ばまでに社会主義現代化強国を築き上げる」という目標を改めて示した。国営新華社通信によると、決議案の策定に先立って3月に起草チーム設置が決まり、そのトップは習氏自らが務めたという。決議の最後に掲げた目標の実現に向け、習氏が中国共産党トップとして、指導力を発揮し続けていく思惑がうかがえる。