ロンドンの甃

最後まで予測不可能なCOP26

1日、英北部グラスゴーのCOP26会場に到着したジョンソン英首相(ロイター)
1日、英北部グラスゴーのCOP26会場に到着したジョンソン英首相(ロイター)

10月末から英北部グラスゴーで開催されていた国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)が今月13日、閉幕した。現地で取材する中で、成果文書の草案が最終局面で修正された結末が印象に残った。

脱石炭を掲げる議長国・英国は草案で石炭火力の「段階的な廃止」を記していたが、インドなどが採択の直前に反発し、土壇場で「段階的な削減」に表現が弱まった。

英国のシャルマ議長はよほど落胆したのだろう。閉幕直前に会場で彼の姿を見たが、遠目から見ても肩をがっくり落とし、今にも泣きそうな顔をしているのが分かった。

シャルマ氏は、各国との「交渉力」に定評のある人物だ。議長に指名された後、9月上旬に中国・天津を訪問し、同国の気候変動問題の担当特使と対面で会談。海外の石炭火力への公的融資を止めるよう熱心に説いた。その後、中国の習近平国家主席が石炭火力発電所の新規建設を中国国外で行わない方針を表明したのは「シャルマ氏の功績」(温暖化問題の英専門家)との見方もある。

しかし、「途上国代表」を自任する中国はインドを擁護し、石炭火力をめぐる表現は後退した。各国の事情が複雑に絡み合う気候変動問題をめぐる交渉が、いかに予測できないものかを思い知った。(板東和正)