秋篠宮家の長女・眞子さんと小室圭氏との結婚は、残念ながら大きな騒動になってしまった。10月26日の記者会見で小室氏は「誤った情報があたかも事実であるかのように扱われ、誹謗中傷が続いた」と自身や母親の金銭トラブルなどについての報道を批判。眞子さんも、「誤った情報」が「謂(いわ)れのない物語となって広がっていく」と述べた。報道や国民の受け止め方を批判したという意味では、攻撃的な表現だったといわざるを得ず、週刊誌報道やツイッターなどSNSなどでさらなる反発を招く結果になった。小室氏の米ニューヨーク州弁護士試験の不合格も加わり、小室夫妻への不信感はなお高まり、高じて秋篠宮家や皇室全体への不信感に発展しているものもある。その意味で皇室と国民はかつてない不幸な関係に立っている。
憲法は天皇の地位を「主権の存する日本国民の総意に基く」と規定するが、これは天皇の正統性の根拠を国民投票や世論に置くということではない。「天皇と国民が相互の信頼と敬愛によって結ばれているという、歴史的に生成された一般的確信」に基づくことだと歴代政府は解釈してきた。もし、その皇室と国民との「相互の信頼と敬愛」が揺らいでいるとすれば、大変なことだ。