米中、台湾めぐる緊張緩和見込めず 佐橋亮・東大准教授

佐橋亮 東大准教授
佐橋亮 東大准教授

バイデン米大統領が15日(日本時間16日)に中国の習近平国家主席と行ったオンライン首脳会談の結果について、東京大学の佐橋亮准教授に聞いた。

米中首脳のオンライン会談で貿易や人権、台湾問題などで対立する両国の緊張が和らぐことはほとんどないだろう。米中が「衝突だけは避けたい」と思う中、対話の雰囲気づくりが重視され会談につながった。

中国の習近平国家主席は北京冬季五輪や中国共産党大会を来年に控える中、バイデン米大統領に対し妥協せず、主張すべきことを言ったと国内に示せた。米側が習氏との対話を重視していることを利用した形だ。習氏にとって願ったりかなったりの機会となった。

一方、バイデン氏も人権や台湾に関して米国の主張をしっかり伝えたとしており、両首脳が自身の外交を国内にアピールする会談にとどまった。米政府が説明するバイデン氏の発言を見ると極めて官僚的な文言で、「ガードレール(防護柵)」といった部分以外に目新しいものはなかった。事務方が準備した内容をそのまま話したのではないか。

米中対話は今後も続くと思うが、議論を進められるのは気候変動問題などごく一部。当面は「対話のための対話」が増えるだけで、米国が重視する台湾問題や中国の核問題で協議が進展することはないだろう。

(聞き手 坂本一之)