露、衛星破壊実験を公表 米の批判に反論も

ロシア国旗(ロイター)
ロシア国旗(ロイター)

【モスクワ=小野田雄一】ロシア国防省は16日、衛星軌道上で機能停止状態となっていたロシアの電波監視用人工衛星「ツェリーナD」の破壊実験を15日に実施し、成功したと発表した。タス通信が伝えた。ロシアは人工衛星の破壊能力の強化を誇示し、軍事的に対立する米国を牽制する思惑とみられる。

ロシアの発表に先立ち、ブリンケン米国務長官は15日、ロシアがミサイルを使った人工衛星の破壊実験を同日実施し、確認できるだけでも1500個以上の破片が拡散したと指摘した。

米航空宇宙局(NASA)によると、破片は国際宇宙ステーション(ISS)近くを通過。このため就寝中の宇宙飛行士が起床し、日本の実験棟「きぼう」などに通じるハッチを閉じ、約2時間、接続されている宇宙船内に避難した。

ブリンケン氏はISSの飛行士らを危険にさらす「無責任な実験だ」とし、「ロシアは宇宙の軍事利用に反対を表明しながら、宇宙の開発や利用を危うくしている」と非難。同盟国や友好国と連携して対抗措置を模索する方針を示した。

一方、露国防省は「実験が行われた時間と座標軸を考慮すれば、破片がISSに脅威を与えないことを米国は正確に把握している」と反論。ラブロフ露外相も「米国は根拠のない非難をするのではなく、ロシアが中国とともに提案している(宇宙での)軍拡競争を防ぐ条約を話し合う席に着くべきだ」と主張した。

米軍によると、ロシアは昨年4月と12月にも同様のミサイル実験を実施した。

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