千葉県伝統的工芸品に山本さんの「南総竹細工」指定

伝統的工芸品の証となる掲示板を持つ山本富彦さん(左)と滝川伸輔・千葉県副知事=県庁(長橋和之撮影)
伝統的工芸品の証となる掲示板を持つ山本富彦さん(左)と滝川伸輔・千葉県副知事=県庁(長橋和之撮影)

千葉県の風土と歴史の中で生まれ、受け継がれてきた伝統的な技術・技法の振興のため県が指定する「県伝統的工芸品」に、市原市の山本富彦さん(76)が制作する「南総竹細工」が新たに指定された。15日に県庁で指定書の授与式が行われた。

山本さんは、市原市に転勤した約50年前に、趣味のアユ釣り用の竹竿を作り始め、約15年前からは竹細工の制作に取り組み始めた。その後、同じ南総竹細工で既に県伝統的工芸品の指定を受けている制作者の指導をうけるようになり、技術を継承。今回の指定に至った。

色の異なる竹を使った美しい模様が特徴的な山本さんの作品では、着色料などを使わず、解体された古民家の屋根に使われていた、いろりの煙でいぶされて色が変わった竹を活用するなどの工夫がなされているという。

授与式で滝川伸輔副知事から指定書と木製の掲示板を受け取った山本さんは、「非常に光栄に思う。いろんな方に出会い、その方々がいい指導者でした」と喜びを語った。制作の傍ら、月に1回程度、公民館での教室も行っているという山本さんは「若い世代に技術を伝えていきたい」と意気込んだ。

滝川副知事は、「これまでの製法を保持し、新たな感覚を取り入れた制作に取り組んでおられる。時代に合わせた工夫を取り入れることは未来への継承に大変重要」と山本さんの取り組みを高く評価した。

県伝統的工芸品の指定を受けるためには、製造過程の主要部分が手工業的であることや大正時代以前に確立された伝統的な技術・技法で製造されていることなど、4つの要件が求められる。県は制度の始まった昭和59年以降、196件を指定している。