低年齢化するSNS性暴力被害 略取誘拐のツールに

奈良市で平成16年、市立富雄北(とみおきた)小学校1年の有山楓(かえで)ちゃん=当時(7)=が誘拐、殺害された事件は17日で発生から17年となる。登下校時を狙った連れ去りの手口に加え、近年はスマートフォンを持つ小学生が増え、会員制交流サイト(SNS)を通じて犯罪に巻き込まれるケースが少なくない。少子化で子供が被害に遭う事件は全体的には減っているが、こうしたSNS起因の略取誘拐事件は増加しており、識者は「ネット空間への対処が急務」と警鐘を鳴らす。

アプリ通じて接近

「体が発達していない女の子にすごく興味がある」。周囲にこう話していた男(32)は今年1月、SNSの会話アプリで知り合った愛知県内の14歳の少女を誘拐したとして、未成年者誘拐罪で懲役1年10月の実刑判決を受けた。

捜査関係者によると、男は6年前にも、奈良県内のリサイクルショップのトイレで当時小学6年の女児をかばんに押し込み、車で連れ去ったとして懲役4年の実刑を言い渡され、服役していた。出所後の今回は、SNSを通じて家出願望があった少女に接近、自分の元に来るよう誘い、約1カ月間、奈良市内の自宅で寝泊まりさせていた。

「泊めてほしいと言った私も悪い」。保護された後、少女はSNSのやりとりを悔やんでいたという。

群がる大人

デジタル性暴力の被害者支援に取り組むNPO法人「ぱっぷす」(東京)は今年8月、SNSでの性被害の実態調査を実施した。ツイッターで「甘い物が好きな14歳の女子中学生」の設定で架空のアカウントを作ったところ、2カ月で170人以上の大人たちからメッセージが殺到、大半が性的な行為を求めてきた。

多くのSNSでは、13歳未満の子供の使用を認めないか、保護者の同意が必要としているが、同NPO理事長の金尻(かなじり)カズナさん(40)は「本人認証の機能や規制がゆるいサイトもあり、性犯罪の温床になりかねない」と話す。