スーパーコンピューターの計算速度の世界ランキング「TOP500」が15日(日本時間16日未明)発表され、理化学研究所が運用する「富岳(ふがく)」(神戸市)が4期連続の1位となった。
トップ10の顔ぶれは、前回発表の6月からほとんど変わらなかった。米マイクロソフトのクラウドサービス「アジュール」が設置した「ボイジャー-EUS2」が10位に新しく入った。
1秒間に100京回の計算ができる「エクサ級」と呼ばれるスパコンを目指し、世界中が開発にしのぎを削る。TOP500の運営組織の資料によると、中国の複数のスパコンがエクサ級に到達したとの報道もあるが、いずれも「TOP500に結果を提出していない」という。
日本勢では富岳のほかに、産業技術総合研究所(16位)、東京大(17位)などのスパコンもランクインした。
◇
主なスパコンの順位と計算速度(1秒当たりの計算回数、京は1兆の1万倍)は以下の通り。
(1)日本・理化学研究所「富岳」 44京2010兆回
(2)米国・オークリッジ国立研究所「サミット」 14京8600兆回
(3)米国・ローレンスリバモア国立研究所「シエラ」 9京4640兆回
(4)中国・無錫スパコンセンター「神威太湖之光」 9京3014兆回
(5)米国・ローレンスバークレー国立研究所「パールムッター」 7京870兆回
(6)米国・半導体大手エヌビディア「セレネ」 6京3460兆回
(7)中国・広州スパコンセンター「天河2A」 6京1444兆回
(8)ドイツ・ユーリッヒ研究センター「ジュエルス・ブースターモジュール」 4京4120兆回
(9)イタリア・エネルギー大手エニ「HPC5」 3京5450兆回
(10)米国・マイクロソフト「ボイジャー-EUS2」 3京50兆回 ※
(16)日本・産業技術総合研究所「ABCI2.0」 2京2208兆回
(17)日本・東京大情報基盤センター「ウィステリア/BDEC-01(オデッセイ)」 2京2121兆回
※は初めてランキングに登場したスパコン。