中東からベラルーシ経由でEU移住、ブローカーが暗躍か

ベラルーシとポーランド国境のフェンス付近に集まる子どもたち=11日(ロイター)
ベラルーシとポーランド国境のフェンス付近に集まる子どもたち=11日(ロイター)

【カイロ=佐藤貴生】中東からベラルーシに入った人々が欧州連合(EU)諸国を目指してポーランド国境に殺到している問題で、ベラルーシとトルコなどのブローカーが協力して入国目的を「観光」と偽り、移住希望者を大量に入国させていた疑いが出てきた。

ロイター通信は15日、トルコの首都アンカラのブローカーが、ベラルーシの「3人のパートナー」と協力してイラク人のためにツーリストビザなどをそろえていたと証言したと報じた。ブローカーは「昨年まではイラク人がベラルーシのビザを取得するのはとても困難だった」と話した。

イラク北部のクルド人自治区は移住希望者の主要な出発拠点の一つとされ、ベラルーシの首都ミンスクに入るには4千ドル(約46万円)を要するとの推計もある。イスラム過激派の台頭などで不安定な治安情勢が続くイラクでは、将来を悲観してベラルーシ経由で欧州を目指す人が後を絶たず、土地や家を売って金を工面しているといわれる。

イラク政府は12日、ベラルーシ・ポーランド国境周辺の自国民に帰国を呼びかけ、ベラルーシへの直航便の運航停止を発表した。

トルコの最大都市イスタンブールからミンスクに向かう航空便の数が今春以降、急増していたことも判明した。両国の主要航空会社も12日、このルートの便にイラクやイエメン、シリアの出身者を搭乗させない方針を打ち出した。

ポーランドの国境警備当局によると、ベラルーシから不法入国を図った事例は10月だけで1万7千件超と、9月の倍以上に上った。厳冬期を控えるなかで数千人の移住希望者が両国の国境地帯にとどまっているもよう。ミンスク市街では国境への出発に向けて買い物したり、ベンチで寝ていたりする中東出身とみられる人の数が増えている。