「逆に何ができないんだ」 ゲーム「ウマ娘」を支える“サイゲ専用シナリオ制作アプリ”が多機能過ぎる

Cygamesは11月13日、同社がゲーム制作などを進めるうえでの理念や技術について語る一般向けオンラインイベント「Cygames Tech Conference」の中で、ゲーム「ウマ娘 プリティーダービー」のシナリオ作成に使った社内アプリケーション「こえぼん」を紹介した。Cygamesの“こんな機能が欲しい”という要望が詰まった同アプリは実に多機能で、視聴者からは「逆に何ができないんだ」「金は出すから売ってくれ」といった声が上がった。

こえぼんは、シナリオの執筆から音声収録、ゲーム場面作りまでの工程で必要な機能をまとめたWebアプリ。基本的な使い方は、ツリー上に管理されたシナリオを開いてテキストを追加するというシンプルなものだが、シナリオ制作の現場で生じた課題を解決する機能を実装し、手厚いサポート機能を持つアプリに仕上がっている。

主な機能は、意識せずともルールに沿った執筆ができる執筆サポート機能、監修作業をオンラインで実現する監修機能、更新履歴を確認して前の状態にも戻せるロールバック機能、高度な指定に対応したシナリオ検索機能、表記ゆれチェック機能、収録台本を出力する機能、音声ファイル管理機能、シナリオデータ出力機能などだ。必要に応じてAI技術も活用している。

こえぼんを開発したのはCygamesのプロジェクト共通基盤チームだ。同チームは、ゲーム開発時の課題を解決し、開発作業に集中できる環境を作るミッションを抱えている。

Cygamesが抱えていた課題

こえぼん登場以前、Cygamesはゲームシナリオ制作をExcelで管理していた。しかし、ゲームの規模が大きくなるにつれファイル数も増大。ミスによる更新漏れで大規模な手戻り(前の工程からやり直すこと)が発生するなど事故もあった。

他にもファイルの受け渡しに時間がかかる、シナリオの検索がやりにくいなどの課題があったという。そこで同社はExcelを使ったシナリオ制作から脱却し、検索性向上や効率化を図るため、Webアプリ開発に乗り出した。

ゲームシナリオの制作工程は、テキストを書く執筆、内容を精査する監修、誤字などを確認する品質チェック、音声収録、収録内容を確認し編集する音声検収、素材をまとめてゲーム場面を作る演出などに分かれる。プロジェクト共通基盤チームはそれぞれの工程が抱える課題の解決に向けた機能をこえぼんに実装していった。