米中首脳「責任ある競争管理」議論 台湾などで応酬

オンライン形式で会談したバイデン米大統領(左、AP=共同)と中国の習近平国家主席(新華社=共同)
オンライン形式で会談したバイデン米大統領(左、AP=共同)と中国の習近平国家主席(新華社=共同)

【ワシントン=渡辺浩生、北京=三塚聖平】バイデン米大統領と中国の習近平国家主席は米東部時間15日夜(日本時間16日)、オンライン形式による初の首脳会談を行った。ホワイトハウスが会談後に発表した声明によると、両首脳は米中間の競争を責任ある形で管理していくことの重要性に関し協議した。バイデン氏は「台湾海峡の平和と安定を損ねる行動に強く反対する」と表明。両首脳は一方で、米中対立が衝突に発展するのを回避する立場では一致したとみられる。

両首脳による会談は、2月と9月の電話会談に続き3回目。会談は休憩をはさんで3時間半続いた。共同宣言など会談の具体的な成果文書はなかった。

バイデン氏は冒頭、「米中の指導者としてのわれわれの責任は、米中間の競争が紛争に進むことがないようにすることにある」と指摘し、対話を通じた危機管理の必要性を訴えた。

声明によると、バイデン氏は最大の焦点となった台湾情勢について「一つの中国政策」を踏襲する一方、台湾への武器売却などを確約した「6つの保証」に基づく台湾政策を遂行していくと強調した。

また、中国による急速な核軍拡を念頭に、米中間の「戦略的な危機管理」の重要性を強調。紛争を防止する「共通のガードレール(防護柵)」を構築する必要性を唱えた。

中国国営新華社通信によると、習氏は台湾問題に関し「『台湾独立』勢力がレッドライン(越えてはならない一線)を突破すれば、断固たる措置を取らざるを得ない」と強調。平和統一が前提だと言及しつつも、台湾独立の動きに対しては武力行使も辞さない姿勢を示した。

習氏はまた「新たな時期の中米の付き合いには相互尊重、平和共存、協力・互恵の3原則を堅持すべきだ」と主張した。両国が「当然尽くすべき国際的な責任を引き受けるべきだ」とも述べ、国際的な問題での協力を呼び掛けた。

バイデン氏も会談の冒頭、「気候変動などの地球規模の問題では協力すべきだ」と強調。習氏も「気候変動問題は中米関係の新たな注目点になる」と述べたとしている。

一方、バイデン氏が中国による香港やチベット、新疆ウイグル両自治区での人権侵害に懸念を表明したのに対し、習氏は「人権問題を口実とした内政干渉に賛成しない」と反論した。

また、同盟・パートナー諸国と連携して自由や民主主義などの価値を守り抜くと言明したバイデン氏に対し、習氏は「イデオロギーで線を引き、陣営を分割すれば、結局は世界に災いが降りかかる」と牽制(けんせい)するなど、主要な対立点では原則論の応酬に終始した。