米中首脳がオンライン会談 紛争化回避へ対話継続で一致か

バイデン米大統領(ロイター=共同)、中国の習近平国家主席(新華社=共同)
バイデン米大統領(ロイター=共同)、中国の習近平国家主席(新華社=共同)

【ワシントン=渡辺浩生、北京=三塚聖平】バイデン米大統領と中国の習近平国家主席との初のオンライン形式による首脳会談が米東部時間15日夜(日本時間16日午前)に始まった。バイデン氏は冒頭、「率直な対話」に期待を表明した上で「共通のガードレール(防護柵)をつくる必要がある」と呼び掛けた。会談の最大の焦点である台湾情勢をめぐり、不測の事態が紛争に発展するのを防ぐための意思疎通の重要性を念頭に置いたとみられる。

両首脳の会談は2月と9月に電話会談して以来。

バイデン氏は「われわれは国民と世界に対して責任がある」と強調。習氏はバイデン氏を「古い友人」と呼んだうえで、「米中は対話と協力の強化が必要だ」と呼びかけた。

一方、中国国営中央テレビ(電子版)によると、習氏は「それぞれが国内のことをうまくやるだけでなく、当然尽くすべき国際的な責任を引き受けるべきだ」と述べ、中国が内政と位置付ける「台湾問題」などを念頭に米国の介入を牽制(けんせい)した。

台湾情勢をめぐっては10月以降、中国が台湾周辺に多数の軍用機を通過させるなどして挑発をエスカレート。対するバイデン氏は台湾有事の際の米国の防衛責任に踏み込む発言をしたほか、米軍は台湾軍の訓練を目的に特殊部隊を台湾に駐留させるなど、台湾関与を強化させている。

会談では、米中間の軍事衝突に直結する「計算違いや誤解」(米政府高官)の予防に向けた首脳や当局者間の対話チャンネルの構築と維持を呼びかける。

バイデン政権は、米国主導のルールに基づく国際秩序に挑戦する中国との関係を、東西冷戦期のような長期化が不可避の「大国間競争」と位置づけている。習氏の3期目が固まったことでこうした対中観は一段と強まっている。

会談では中国が急速に進める核兵器・弾道ミサイルの配備、極超音速兵器の開発に懸念を伝え、軍備管理を目的とした対話の必要性も強調するとみられる。

バイデン氏はまた、香港や新疆ウイグル自治区における人権弾圧、不公正な貿易慣行、資源や軍事拠点の確保を目的とした途上国への外交圧力などルールを無視した行為を指摘する。米議会の一部には、来年の北京冬季五輪の外交的ボイコットを求める声が根強い。

一方、気候変動など地球規模の課題での協力は引き続き模索するが、米高官によると、協力と引き換えに他分野で譲歩しない姿勢は堅持するとしている。