中国、自国優位に自信 長期的には米国に比肩

15日、ワシントンのホワイトハウスで、中国の習近平国家主席とのオンライン会談に臨むバイデン米大統領(ロイター=共同)
15日、ワシントンのホワイトハウスで、中国の習近平国家主席とのオンライン会談に臨むバイデン米大統領(ロイター=共同)

【北京=三塚聖平】中国側は今回の米中首脳会談で、米中関係をコントロール可能な水準にまで落ち着かせることを狙った。中国では来年に北京冬季五輪、共産党大会という重要イベントが控えており、政治的な安定が最優先されるからだ。ただ、対話を継続することでは一致したものの、台湾問題などをめぐる認識の差は大きく、米中間の溝の深さを改めて印象づけた。

習近平国家主席はオンライン会談で、米中両国を「2隻の大型船」に例えて「針路をそれたり、減速したり、衝突するようなことがあってはならない」と関係改善を呼び掛けた。

トランプ前米政権下で米中関係は「国交樹立以来最も厳しい局面」(王毅(おうき)国務委員兼外相)となり、これを少なくとも予見可能で安定した状態に戻すことが習政権にとり重要課題だ。来年には習氏が党総書記として異例の3期目入りを実現させる党大会が控え、国内だけでなく国際環境の安定も欠かせない。

会談では台湾問題に関して、武力による統一も排除しない姿勢を見せたが、批判対象は基本的に「『台湾独立』勢力」だった。台湾の蔡英文政権への支援を強める米国への直接的な批判は抑制されており、米国とこれ以上事態をエスカレートさせたくないという本音がうかがわれる。

とはいえ、台湾問題や新疆(しんきょう)ウイグル自治区の人権問題など、個別の問題に関して米中両首脳の認識の隔たりは大きく、事前にお膳立てされた気候変動協力を除いて目立った協力分野は見当たらずに終わった。

そもそも米側は米中関係を「競争」と位置付けたが、習氏は競争という言葉を使わなかった。中国外交担当トップの楊潔篪(ようけつち)共産党政治局員は、10月上旬にサリバン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)とスイスで会談した際、「中国は『競争』という言葉で中米関係を定義することに反対する」と拒否している。

習政権は自国の社会、政治制度の優位性に自信を深めており、現在の路線を進めば将来的に米国と比肩する国力を得られると考えている。そうした中で、米国主導で今後の米中関係が定義されることを警戒しているとみられる。

本格的な衝突を避けたいという点では一致しているが、事態打開へ譲歩する余地は米中ともに見いだせない。両国の認識のずれが不測の事態を招く恐れは払拭できていない。