贈賄側「どうでもよくなり調書にサイン」元農水相公判

吉川貴盛被告
吉川貴盛被告

鶏卵生産大手「アキタフーズ」(広島県福山市)グループの秋田善祺(よしき)元代表(88)=贈賄罪などで有罪確定=から計500万円の賄賂を受け取ったとして収賄罪に問われた元農林水産相、吉川貴盛被告(71)の公判が16日、東京地裁(向井香津子裁判長)で開かれ、元代表に対する弁護側の証人尋問が行われた。元代表は、贈賄行為を認めた自身の供述調書について「(取り調べ中に)腰が痛いからどうでもいいと思い、サインした」と述べた。

この日の証人尋問で元代表は、吉川被告に鶏卵業界の要望を伝えたことと、現金の供与は無関係だったと繰り返した上で、計14回にわたる供与のうち「要望と同時だったのは1度しかない」と証言。調書の内容には「基本的に納得している」としつつ「(供与と要望の時期が)数カ月間も空いており、何をもって贈賄と言うのか」と、賄賂性を疑問視する発言もあった。

弁護側は、元代表が供述調書で吉川被告以外の農水族議員に現金を供与したと認めていたと指摘。改めて供与の有無を聞かれると「元職だろうと現職の国会議員だろうと、私の口から申し上げることはできない」とし、弁護側に「すでに公訴時効が完成しており処罰の可能性もない」などと促されても、かたくなに回答を拒んだ。

約2時間に及んだ弁護側の尋問後、裁判長に体調を問われた元代表は「腰が痛い」などと訴えた。検察側は元代表への再度の尋問を裁判所に申請。29日の次回公判でも引き続き元代表の証人尋問が続けられる見通し。