高市氏、経済対策で問われる調整力と独自性

自民党の高市早苗政調会長
自民党の高市早苗政調会長

政府与党が19日にまとめる経済対策で、自民党政策責任者としての高市早苗政調会長の手腕が注目される。高市氏は、公明党が先の衆院選で公約に掲げた「18歳以下への10万円一律給付」に猛抗議し、所得制限付きとする「実績」をつくったが、制限の内容を決める与党間協議に自らは関与できなかった。将来の党総裁候補に浮上した高市氏には、調整力とともに独自色やリーダーシップも問われそうだ。

「精いっぱい意見を政府側にぶつけていただきたい。私たちは政権選択選挙で大きな信任をいただいたばかりだ」

高市氏は15日、経済対策の政府原案を議論する党会合でこうあいさつした。この発言には、高市氏が中心となって作成した衆院選の公約を反映させるため、財務省への歳出圧力を高めよとの含意があるようにも聞こえる。

高市氏は9月の総裁選で岸田文雄首相に敗れたが、保守派として知名度が急上昇。衆院選の応援依頼が殺到し、「選挙の顔」として重宝された。2度目の就任となった政調会長として存在感を発揮すれば、総裁選への挑戦権が再び得られるとみる議員は多い。

高市氏について政調関係者は「政策や人事でも細部にわたってこだわりが強い。思ったことははっきり言うタイプだ」と語る。高市氏は18歳以下への一律給付を主張する公明案に当初から反発。公明の竹内譲政調会長がツイッターに公明案が実現するとの内容を投稿した際は「与党内で協議して決めるべきことだ」と抗議した。

自民は非正規雇用や子育て世代など新型コロナウイルスで困っている人を対象とした経済支援を掲げていたからだ。ただ、「10万円」をめぐる与党間調整は首相判断で幹事長による協議に委ねられ、高市氏の出番は回ってこなかった。

自公は年収960万円以上の世帯は対象外とする所得制限で合意したが、自民内には不満がくすぶる。

福田達夫総務会長は16日の記者会見で、共働きの場合は原則として年収の多い方で所得制限が判定される仕組みについて「両親の収入で子供を育てるとの前提に立てば(年収を)合算するのが常識的だ」と訴えた。高市氏も「困窮者支援なら世帯年収でやるべきだ」と周囲に語るが、政策論と自公連立論の間で党内議論をどう着地させるかに注目が集まる。(広池慶一)