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古代エジプト展名品紹介(1)

豊かな彩色、死者を守る木棺

11月20日から兵庫県立美術館で「ライデン国立古代博物館所蔵 古代エジプト展」(産経新聞社など主催)が始まります。展示品から、えりすぐった品々を5回にわたり紹介します。第1回は「アメンヘテプのミイラ覆い」です。

アメンヘテプのミイラ覆い

「アメンヘテプのミイラ覆い」 第3中間期、第21王朝(前1076-944年頃)長さ174、幅44、高さ14センチ Image©Rijksmuseum van Oudheden(Leiden, the Netherlands)
「アメンヘテプのミイラ覆い」 第3中間期、第21王朝(前1076-944年頃)長さ174、幅44、高さ14センチ Image©Rijksmuseum van Oudheden(Leiden, the Netherlands)

古代エジプトの人々は、死後の世界を信じていた。当時は、5歳までの生存率は5割ほど。来世に永遠の生を望んだのは、案外、死というものが身近だったせいにちがいない。

彼らにとって、肉体は魂の出入りする場所である。それゆえ、死後も肉体を保存しなければならないと考え、ミイラというものの制作を思いついたのだった。

さらに、あの世に行くためにはさまざまな障害を乗り越えねばならないと想像をめぐらせ、死者の書という手引書をはじめ、さまざまな副葬品を作り出してゆく。豪華な墓にかわって登場したミイラをおさめる木棺にも、死者を守るためのいろいろな装飾がなされた。

第21王朝(紀元前1076~944年頃)でテーベの神々の神官を務めた、このアメンヘテプのミイラ覆いは胸の中央に再生を表す牡羊の頭をもったスカラベ(フンコロガシ=太陽の象徴)、その下には羽を伸ばした女神が描かれている。もとは墓に描かれた絵が豊かな色彩をまとうのは、強い呪術性を示しているからだといわれる。(正木利和)