埼玉県は16日、新型コロナウイルスのワクチン接種証明を活用し、飲食店に対する酒類提供時間や客数の制限を緩和した実証実験の結果を発表した。参加した店舗やその利用客へのアンケートの結果、証明の有無によって客を入れるエリアを分けた措置について、78・5%の客が「安心感が得られた」と答えた。
接種証明などの確認手続きを「長いと感じなかった」という客も80・3%に達した。
一方、店舗関係者の57・5%はエリア分けを「負担と感じた」と回答し、理由として、入店者数などに応じてエリアを調整する必要があることや客に対する説明の煩雑さを挙げた。確認手続きに関しても75・0%が「負担と感じた」と答え、客と店舗側の受け止め方の違いが際立った。
大野元裕知事は16日の記者会見で「確認事務を簡単に行うことができる仕組みが必要だ。今後の制限緩和に今回の検証結果が反映されるよう国に働きかけたい」と述べた。
実証実験は10月22日から31日までの午後5時以降、JR上尾駅(同県上尾市)周辺の飲食店41店舗で実施した。店舗関係者と、利用客2050人のうち1761人がアンケートに回答した。(深津響)