大塚製薬工場が逆転勝訴 知財高裁、特許侵害認定

大塚製薬工場の建物屋上。右奥には海岸線が見渡せる=平成30年12月、徳島県鳴門市
大塚製薬工場の建物屋上。右奥には海岸線が見渡せる=平成30年12月、徳島県鳴門市

輸液メーカー国内最大手の大塚製薬工場(徳島県鳴門市)が輸液製品の特許を侵害されたとして、医療品製造販売の陽進堂(富山市)とその関連会社エイワイファーマ(東京)に製造差し止めなどを求めた訴訟の控訴審判決で、知財高裁は16日、特許侵害を認め、陽進堂側に製品の製造禁止や廃棄を命じた。訴えを退けた昨年12月の1審東京地裁判決を取り消した。

本多知成裁判長は、陽進堂側の製品が「大塚製薬工場の発明の技術的範囲に属するもので、特許を侵害した」と判断した。地裁判決は両製品は構造が異なり、特許侵害に当たらないとしていた。

2審判決によると、対象になったのは輸液容器の内部を樹脂フィルムで複数の空間に区切った製品。各空間に異なる製剤を閉じ込め、使用時に外圧を加えて混合できる技術で、平成20年8月に大塚製薬工場が特許登録した。陽進堂側は30年5月ごろから、類似製品を販売していた。

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