照ノ富士、大栄翔を返り討ち 大逆転にも「落ち着いていた」

大相撲十一月場所(九州場所)2日目〇照ノ富士(すくいなげ)大栄翔×=福岡国際センター(撮影・村本聡)
大相撲十一月場所(九州場所)2日目〇照ノ富士(すくいなげ)大栄翔×=福岡国際センター(撮影・村本聡)

先場所の轍(てつ)を踏むわけにいかなかった。照ノ富士は15日、新横綱場所で初の金星を配給した大栄翔に土俵際まで追い込まれながらも逆転で連敗を阻止。最高位の貫禄を示し、「自分の相撲を取り切ることしか考えなかった」といつもながらに淡々と振り返った。

立ち合いで相手の突き押しを真正面から受け止める。しかし、圧力に屈してじりじりと後退し、両足が俵に掛かって上体がのけ反る。場内に万事休すの空気が流れた瞬間、左から抱え込んで活路を見いだすと、右からのすくい投げで豪快に仕留めた。

白鵬(現・間垣親方)が先場所後に引退し、名実ともに角界の金看板となった。初日には警備業務にあたる新米親方が花道の奥から見守る土俵で新小結の霧馬山を一蹴。引退会見で「後を託せると思った」と後継指名した先輩横綱のエールに結果で応えた。

愚直な照ノ富士らしい横綱像も垣間見えた。大栄翔が自信を持つ突き押しを全身で受け止め、力を出し切らせた上でねじ伏せた。天才肌の白鵬であれば、引いたり、いなしたりしながら自分の流れへ引き込み、力を出させないで勝ちにいくだろう。両者のタイプは異なる。

周囲には窮地に陥ったようにみえた一番も、「落ち着いて取れた。ある程度余裕がなければ落ち着いて相撲は取れない」と涼しい顔。「まだ2日。残りも頑張りたいなと思う」。照ノ富士らしい横綱相撲で、一年納めの場所も最後まで戦い抜く。(奥山次郎)