〈独自〉大阪府警に経済安保チーム 年内にも、全国初

大阪府警本部
大阪府警本部

海外への技術流出を防ぐため、大阪府警が民間企業などに対策をアドバイスする経済安全保障のプロジェクトチーム(PT)を年内にも新設する方針を固めたことが15日、府警幹部への取材で分かった。経済安全保障の強化は国の喫緊の課題とされ、岸田文雄内閣では担当相を新設。警察庁でも経済団体への啓発を行う専門班を立ち上げたが、府警によるとPTの立ち上げは都道府県警で初めて。

府警幹部によると、PTは警備部外事課内に設置。部署を越えて横断的に専門知識にたけた人材を集め、民間企業や大学で説明会を開くなどし、事件捜査で蓄積した経験を生かした対策を呼び掛ける計画だ。海外の情報機関がSNS(会員制交流サイト)などで社員や研究者に接触を図って情報流出を促すといった手口の解説を想定し、相談も受け付ける。

府警は昨年10月、大手化学メーカー「積水化学工業」のスマートフォン関連技術を中国企業に漏洩(ろうえい)したとして、不正競争防止法違反容疑で元社員を書類送検。中国企業はSNSで元社員に接触していた。府警幹部は「事件はあくまで氷山の一角で、ほかにも技術流出は起きている」と警戒を強める。

大阪府内には先端技術を持つ企業や研究機関が数多く拠点を置き、外国の企業や情報機関から技術情報を狙われる危険性が絶えずある。全国的にも技術情報などの流出事件の摘発は増加傾向にあり、警察庁も啓発のための専門班を立ち上げている。


◇経済安全保障◇

国民の生命や財産を守る安全保障と国の経済政策や企業活動を結びつける考え方。半導体や燃料電池、バイオテクノロジーなどの先端技術の海外流出防止、海外施設における情報管理のあり方といった幅広い課題がある。米中対立の激化や新型コロナウイルスの感染拡大を受け、世界的に情報漏洩(ろうえい)対策や輸出管理を厳格化する動きが強まっている。岸田文雄首相は成長戦略の柱と位置づけ、「経済安全保障推進法」策定などを担う担当相を新設。省庁横断的に協議する関係閣僚会議も今後立ち上げる。