冬の絶品粉もん「カキオコ」誕生20年秘話

お好み焼き店「うま×うま」のカキオコ大には新鮮なカキがたっぷり入っている=岡山県備前市日生町
お好み焼き店「うま×うま」のカキオコ大には新鮮なカキがたっぷり入っている=岡山県備前市日生町

冬の海の味覚を代表するカキ入りのお好み焼き「カキオコ」で知られる岡山県備前市日生(ひなせ)町の日生町漁協で11月上旬、カキの水揚げが始まった。ジューシーなカキがたっぷり入ったカキオコは、知名度も高い日生町のB級グルメ。来年1月には、カキオコを生かしたまちづくり活動が20周年を迎える。関係者は「12~2月にはカキの身がもっと大きくなる。おいしいカキオコを食べにぜひ日生に来てほしい」と呼びかけている。

備前市日生町の沿岸部には養殖のカキ筏が浮かぶ
備前市日生町の沿岸部には養殖のカキ筏が浮かぶ

新鮮でジューシー

鉄板の上でジューッという音を立てて焼かれるキャベツ。生地をすっかり覆うように次々と新鮮なカキが乗せられていく。備前市日生町の名物お好み焼き「カキオコ」だ。

「たっぷりのカキを入れ、よく焼いた外はパリッと中は山芋を入れてふんわりさせています」とお好み焼き店「うま×うま」の店主、牧野真希さん。

焼いたカキオコにソースを塗り、青のりをふりかけ、紅しょうがを盛り付けて出来上がり。新鮮な日生のカキは、余分な水分が少なく、焼いても縮みにくいという。ジューシーなカキのうまみとキャベツやソースの甘みが口の中いっぱいに広がるご当地名物だ。

「おいしい、おいしい」と言ってもらえるように店名を「うま×うま」にしたという牧野さん。店名の願い通りのカキオコを提供している。

収穫したカキの殻を手際よくむく漁協のスタッフ
収穫したカキの殻を手際よくむく漁協のスタッフ

並んで浮かぶ筏〔いかだ〕

岡山県は全国有数のカキ産地。農水省によると、令和2年のカキ類の養殖生産量は、広島9万6000トン、宮城1万8200トンに続いて岡山は1万5300トンのカキを生産している。

備前市日生町は兵庫県と隣接する岡山県東端の漁師町。昭和40年代からカキ養殖が盛んに行われており、日生は県内生産量の5割超を生産。市内にかかる備前♡日生大橋(全長765メートル)からは、沿岸部にカキ筏が並んで浮かぶ風景を望むことができる。

水揚げが11月上旬から始まった日生町漁協(同市日生町)では、従業員らが手際よくカキの殻をむき、容器に身を次々と入れている。

日生町漁協の専務理事、天倉辰己さんは「今年は夏に適度に雨が降り、海水温が高すぎることもなく、カキがよく成育している。12月から2月下旬にかけ、より大粒のカキが楽しめそう」と期待する。

出来上がったカキオコ
出来上がったカキオコ

「B級」PR永久に

今や日生名物のカキオコの歴史も養殖が始まった昭和40年代にさかのぼる。小粒であったり、傷ものであったりするなどの理由で売り物にならないカキをカキ漁師が近所のお好み焼き店に持ち込んで「カキ入りのお好み焼き」として食べるようになったとされる。

そんな日生のおいしいカキオコをPRしようと平成14年1月、「日生カキお好み焼き研究会」が発足した。同会は平成23年に現在の「日生カキオコまちづくりの会」に改称。同年11月にはB級ご当地グルメの祭典B-1グランプリin姫路に出展するなどし、知名度を高めてきた。

来年1月に発足20周年を迎える同会は今季、日生のカキオコ店14軒を紹介するマップ2万部を作製。カキオコ店や備前観光協会、県内のJR主要駅で配布し、PRに取り組んでいる。

同会の会長、江端恭臣(えばしやすおみ)さん(61)は「みなさんのおかげでカキオコは岡山を代表するB級グルメの一つとなった。これからも永久に親しまれるよう、知名度拡大に努めたい」と話している。(高田祐樹)

カキオコ店についての問い合わせは、備前観光協会(0869・72・1919)。

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