鉄道新潮流

JR東日本 坂井究常務「水素燃料電池車両、インパクト大きい」

JR東日本の坂井究常務
JR東日本の坂井究常務

脱炭素化の波が鉄道業界にも押し寄せる中、JR東日本が取り組む二酸化炭素(CO2)を排出しない車両が注目を集めている。同社の坂井究常務に脱炭素化戦略について聞いた。(福田涼太郎)

--もともと鉄道は全体に占める二酸化炭素(CO2)排出量の割合が低い。水素燃料電池ハイブリッド(複合型)車両の開発に乗り出した理由は

「鉄道は環境優位性が高い乗り物だが、自動車や飛行機などもCO2排出削減の取り組みが進んでおり、うかうかしていると逆転されかねない。われわれも環境優位性をさらに高めていく必要がある」

--ハイブリッド車両が与えるインパクトは

「国内全体のディーゼル車両は約2160両(うち4分の1程度がJR東日本保有分)。仮に全てがCO2を排出しないとなれば、試算では年間35万トンの排出を削減できる。インパクトとしては大きい」

--この技術はビジネスチャンスにもつながる

「開発にはコストがかかるが、長い目で見れば技術を国内の他社に共有したり、海外でも活用したりできればビジネスチャンスには当然つながる」

--他に進めている脱炭素の取り組みは

「エネルギー効率の高い車両への置き換えや省エネ運転、照明を全てLED(発光ダイオード)にしていくなどの取り組みを進めている。また、電車に使う電力として再生可能エネルギーによる発電能力を自社分とグループ会社分を合わせ、2050(令和32)年に100万キロワットとすることを目指している」

さかい・きわむ 東大法卒。昭和60年、日本国有鉄道入社。62年からJR東日本。人事部課長、財務部長、執行役員総合企画本部経営企画部長などを経て、令和2年6月から現職。60歳。新潟県出身。