択捉から島外へ野菜初出荷 日露計画停滞、地元独自で

北方領土の択捉島で建設が進む野菜の保管施設=8月(共同)
北方領土の択捉島で建設が進む野菜の保管施設=8月(共同)

ロシアが実効支配する北方領土の択捉(えとろふ)島から野菜が初めて島外に出荷された。北方四島では日露共同経済活動で温室野菜栽培が計画されたが、政府間協議は停滞。島の企業が独自に生産に乗り出し今月上旬、ジャガイモ20トンをサハリン島へ販売した。気候や採算性など課題も多い。

択捉島は水産業が盛んな一方、野菜は島外からの調達が主流だった。択捉島を管轄するクリール地区の当局者は共同通信に「島は昔から新鮮な野菜が不足していた」と述べ、生産拡大に期待。「日露共同経済活動は進展がないので、地元企業を支援する」と強調した。

島で水産業を手掛ける企業が今年7ヘクタールの農地でジャガイモを育て、1ヘクタール当たり15トンを収穫、一部をサハリンに出荷した。中心集落の紗那(ロシア名クリーリスク)郊外に野菜3千トンの保管施設も建設中。来年は農地を98ヘクタールに拡大しニンジンやキャベツ、キュウリ、トマトも生産、国後島や色丹島にも出荷する計画だ。(共同)