議長国・英国に存在感 COP26で野心的取り組み

ジョンソン英首相(AP)
ジョンソン英首相(AP)

【グラスゴー(英北部)=板東和正】国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)の議長国を務めた英国は、気候変動対策で世界を主導すべく野心的な取り組みを見せた。欧州連合(EU)からの離脱後、世界での影響力拡大を目指して掲げる「グローバル・ブリテン」構想の一環だ。会議の序盤には異例の首脳級会合を設定して参加国の新たな公約を引き出したほか、テーマごとに「有志連合」を立ち上げて一定の成果を挙げた。

英政府は昨年12月、温室効果ガスの排出量を2030年までに1990年比で少なくとも68%削減する方針を発表。EUの55%減(90年比)や米国の50~52%減(2005年比)を引き離し、気候変動対策で世界をリードする姿勢を鮮明にした。議長国が踏み込んだ削減目標を示し、各国に目標引き上げを促す狙いだったとみられる。

英国はさらに、COP26の序盤で、気候変動対策の国際枠組み「パリ協定」が採択された15年のCOP21以来6年ぶりとなる首脳級会合を開催した。議題の本格交渉に入る前に各首脳に新たな公約をアピールする場を提供した。温室効果ガス排出量が3番目に多いインドがこの場で、70年までに排出量を実質ゼロとする目標を初めて表明した。

COPの議題とは別に、環境問題のテーマごとに有志国を集める手法も目立った。英国などは2日、30年までに温室効果ガスの吸収源となる森林の減少を食い止めるとの共同宣言を発表。参加した100カ国超は世界全体の森林面積の約85%を占める。

ただ、英国が推し進める脱石炭や電気自動車(EV)普及をめぐっては、足並みの乱れを露呈したのも事実だ。

英国が4日に発表した40カ国以上が石炭火力発電を段階的に廃止することを目指す声明には、日本や米国、中国、豪州、インドなどが加わらなかった。

英国は10日、全世界の新車販売を40年までにEVなどに切り替えるとの宣言を公表したものの、2大市場である米中のほか、日本やドイツも賛同しなかった。