大阪の事故最多交差点 「複雑…標識改善を」と専門家

複数の幹線が交わり、常に交通量が多い法円坂交差点=11月13日、大阪市中央区(中井芳野撮影)
複数の幹線が交わり、常に交通量が多い法円坂交差点=11月13日、大阪市中央区(中井芳野撮影)

昨年の交通事故多発交差点のランキングで、事故が全国最多の22件だった大阪市中央区の法円坂交差点。阪神高速の出入り口に近く複数の幹線道路が混在し、通勤時間帯以外も車が行き交う。交通安全システムを研究する近畿大理工学部の多田昌裕准教授(43)は現地を調査し、「複雑な交差点なので、標識を分かりやすいよう改善すべきだ」などと指摘した。

法円坂交差点は、南北の赤川天王寺線(上町筋)と、東西に走る築港(ちっこう)深江線(中央大通)の幹線2道路が交わる十字路。西側には阪神高速の出入り口や中央大通の高架部分もある。

中央大通を東から西に進む車にとって、右左折レーンを加えると5つもルートがあり、交差点付近で車線変更を迫られる可能性が高い。西から東に進む場合は、平面道路の直進・左折の青信号が出た後、阪神高速と中央大通の高架部分の直進の青信号、さらに右折の青信号へと変わる。

多田氏は「一つの青信号の時間が短くなりがちで常に渋滞状態。運転者は早く交差点を渡りたいと思うあまり、黄信号でも加速する車が多く、追突につながる」と分析する。

大阪府警によると、昨年起きた事故22件のうち、実際に追突事故が最多の11件を占める。その多くが車線変更や黄信号での交差点進入に起因するとみられる。

近畿大理工学部の多田昌裕准教授
近畿大理工学部の多田昌裕准教授

多田氏はこうした状況から、阪神高速や高架部分の入り口を示す標識を交差点手前に複数設置し、車の「動線」を明確化すべきだと指摘。また、交差点直前で車線変更をしないよう「車線変更の禁止区間を延ばし、車がゆとりをもって交差点を走行できる環境をつくる」ようにも求めた。

ドライバーの運転技能を自動で診断し、交差点などで危険な運転をすればリアルタイムで注意喚起するスマートフォンアプリの開発が、近畿大と精密機器大手オムロンによって進められている。

多田氏によると、車内に設置したスマホのカメラなどでドライバーの顔の向きなどを検出し、位置情報や加速度などと合わせて運転技能をアプリで診断。交差点ではドライバーが左右に顔を振って安全を確認しているかや、急発進や急ブレーキをしていないかなどを検知できるようにする計画だ。

今後、アプリの実証実験を行い、効果を調べるとしている。

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