J1浦和の阿部勇樹が今季限りで引退「サッカーをやってきてよかった」

浦和・阿部勇樹(右)(中井誠撮影)
浦和・阿部勇樹(右)(中井誠撮影)

サッカーJ1浦和の元日本代表MF阿部勇樹(40)が14日、さいたま市内で記者会見を開き、今季限りでの現役引退を発表した。スーツ姿で登場した阿部は瞳を潤ませながら、「長きにわたり応援してくださったファンサポーターの皆さま、ジェフ千葉、レスターシティー、浦和レッズの関係者の皆さま、ありがとうございました。本当に幸せなサッカー人生でした」と万感の思いを口にした。

プロ24年目の今季は4年ぶりに主将に就任。シーズンを迎える前に「年齢も考えて勝負の年、最後の年になるのではと考えていた。今でもサッカーはしたい思いはあるが、1年前の思いと現在の思いには少し差がある。その差が、僕にとっては引退する合図かなと考えた」と決断に至った経緯を口にした。

Jリーグデビューを果たした市原(現千葉)、14シーズンを過ごした浦和への思いを問われると「自分がプロサッカー選手になるきっかけを作ってくれたジェフ千葉の関係者の皆さんには感謝している。2007年から浦和に移籍した際は一人で寂しさもあったが、当時の選手がサポートしてくれた。この年齢までできると思っていなかった。メディカルチームの助け、コーチングチームの助け、ともに長く戦ってきた選手のおかげでやってこれた」と涙ぐんだ。

今後は指導者の道に進む予定で、「誰かのまねではなく、自分の考えをもってやることが大事。サッカーが好きで好きでたまらない。指導者の道でも、サッカーを好きな気持ちを持ち続けていきたい」と抱負を語った。

チームはリーグ3試合を残し、12月12日には天皇杯準決勝のC大阪戦を控える。今季の開幕戦でゴールを挙げている40歳は、「浦和レッズの名がアジアに、世界に届くようになっていくことが僕自身が一番望むこと。まだまだ選手として残り1カ月ある。やれることはしっかりやっていきたい」と来季のアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)出場権獲得へ意欲を口にした。

また、会見の最後にファンからの「阿部選手のおかげでサッカーが好きになりました」というメッセージが読み上げられると、「サッカーをやってきてよかったなと思います」と声をうわずらせ、ハンカチで目元をぬぐった。

千葉県出身で、1998年に市原でJリーグデビュー。2007年に浦和、10年にレスター(イングランド)へ移籍し、12年に浦和へ復帰。歴代4位のJ1通算589試合出場を誇り、75得点を挙げている。日本代表では10年のワールドカップ(W杯)南アフリカ大会で16強入りに貢献するなど国際Aマッチ通算53試合3得点。